31.泣き面に蜂 ページ33
花桐SIDE
もし私が私を見失った時、私は誰に頼ればいい?誰が…私を助けられるの?
「…ちょっと今日はブルーだわ」
久しぶりに親のことを話したからかな…。引きずってないとか言いながら記憶の片隅にはいつもあの人たちの優しかった頃の顔が張り付いている。お父さんはそんな優しくなかったけど。
「あの人たちは私が子供で幸せ…だったのかな」
不「ヤれ」
不「はい」
…!?いつの間に…背後に近づいたの…?
「ッ…!離しなさい…っ!」
不「最近目黒で調子に乗ってる羅賦良簾さん?少し眠っててもらうよ」
無理矢理ハンカチに付着している粉末の睡眠剤を嗅がせようとしてくる。でも…睡眠剤ってそんな早く効くものじゃないのよ。よく某探偵アニメでは一瞬で眠ったりしちゃってるけど、そんな馬鹿げたことは起こらない。
冷静に…、相手の腕から抜け出すことだけを今は意識して…。
〜〜〜!!腹部の痛みが…、こんな時に…!
不「ボス、コイツ腹から血ィ出てますよ」
ボス…?…ただの不良グループじゃない…?
不「構わない。睡眠剤が効かないならあっちの薬を打て」
「…ッ…はぁ…ッ、はぁッ…」
この人たちより痛みの方に意識がいってしまう…。このままじゃ…抜け出せない…。
不「直接打った方が効きも早い。じゃあ、ちょっと大人しくしててね。首領」
…私が首領だってことも知って…。
「…ッ!?」
何…この薬…。まさか…、
不「連れてけ」
不「はい」
これは…かなりマズイ状況ね。体が変に熱いし、力が入りにくい。加えて性○増進効果…。
この人たち…、違法○物を私に…。
「…ッ……」
誰か…助けて…。
華「おーい、俺らの首領に何してんの。お前ら。…殺されたい?」
不「っ!!華相…紫苑…!」
華「俺のこと知ってるんだ。…で?殺されたい?」
紫苑……?
華「無言の肯定…でいいんだね?」
紫苑は二人を一蹴りで倒し、私の方を向いた。
華「Aちゃんらしくもない。何か考え事でもしてた?」
「………」
ッ…、声が…出せない。
華「…相当強い薬打たれたみたいだね。声も出せないなんて」
早く家に帰りたい…、苦しい…。
私は無理やり立とうとしたけど、全然力入らなくてすぐに座り込んでしまった。
華「無理するなって。ほら」
紫苑は私を姫抱きにして持ち上げた。体を少し触られているだけなのに、こんなに感じるものなの…?
華「俺の家おいで、親はいないから」
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年9月19日 20時