13.律儀な奴 ページ15
胡蝶SIDE
俺はこの抗争でずっと花垣とやり合っていた。と言っても、俺が一方的に殴って蹴っていただけなんだけど、コイツのしぶとさには呆れた。
いくら殴っても全然意識飛ばないし、戦意喪失もしていない。それどころか絶対諦めないと叫び俺に殴りかかってきた。
お互い体の限界が近づいてきたとき…、
華「抗争は終わりだ!救急車を急いで呼べ!!」
華相が大声を出した。まだ佐野を倒してないのにどうして…。
胡「花垣武道、抗争は終わりらしいよ」
武「…俺、負けなかったっすよ」
胡「そうだな」
花垣はその場に倒れた。もうとっくに限界は過ぎていたのか…。
椿「Aちゃんッ!」
…!?まさか…花桐が刺された?
胡「華相…!」
華「皐月…」
胡「…なんで…刺された?」
華「俺もわからない。でも…確かなことは一つ。東卍の奴らがナイフを持っていた」
勝てないと思ったからナイフを仕方なく使ったのか、元々殺す気で持っていたのかはわからないけど、間違いなく刺したのは佐野でも龍宮寺でもないな。…ただの下っ端だ。
マ「…この抗争は…俺らの負けだ」
華「は?」
マ「ナイフを使うなんて…不良のやることじゃねぇよ。…おい、お前ら。誰がナイフ使って良いって言った?コイツら刺した奴出てこい!!」
佐野が大声を出すと、それに怯えて下っ端たちが何人か出てきた。
マ「お前らがやったの?」
不「だって総長!コイツら極悪集団っすよ!?」
…何か勘違いしてない?コイツら。俺ら別に極悪集団じゃないんだけど。
マ「だからってナイフを使って良い理由になるのか?もしコイツらが凶悪な不良だったら俺が全部片づけてやるよ。総長命令無しに勝手に動くな!」
華「おい、少し訂正させろ。俺らは別に凶悪じゃない。やってることはお前らと大して変わんねぇ。後…この抗争は俺らの負けだ。酷い負け方だけど頭がやられたんだからそこで抗争は終了」
ド「首領の命令無しに決めていいのか?」
首領がいない時、次に決定権を持つ奴は普通副首領。でも羅賦良簾の副首領は命令を出すことを嫌うから、ほとんど華相が指示している。
華「こんな死にそうになってる奴が命令出来る余裕なんてねぇよ」
華相…、相当怒ってるな。
救「救急車到着しました!!」
花桐と葵が救急車に乗せられ、病院に運ばれていった。華相と楠城が付き添いをして、俺と枳殻はバイクで後ろからついていった。佐野と龍宮寺も来るみたいだ。律儀な奴らだな。
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年9月19日 20時