寒いですから ページ42
あ『乱歩……さ…ん…』
乱歩さんはコツコツとこっちに歩いてきて自分の上着を私に着せた
暖かい……乱歩さんの匂いに包まれて落ち着く気がした
そして私の前に立つように2人の男を見る
乱「馬鹿だよ。お前。ほんとに」
乱「お前は愛されてるんだよ。この僕に。離れてやるもんか」
そう呟く乱歩さんの背中は不思議と頼もしくかっこよく見えた
なんで、どうしてここに……?
乱「僕は名探偵だ。言っただろ?君の居場所ならすぐに見つけ出すって」
乱「僕はね、例えAが離れたいって言っても離す気なんてサラサラないし、地球の裏側に逃げようが隠れようが見つけ出すよ。絶対」
グッと強い言葉、はっきりと言い切る言葉に私は冷めた体温が上がっていく感じがした
乱「そして、気持ちを聞き出す。超推理なんて使わない。ちゃんとお前と向き合うよ。喧嘩して言い合いして、それでもいいから……いや、ごめん嘘、出来れば喧嘩はしたくない…でも、僕は何度だってAに愛を囁くよ」
乱「僕はAをあいし……」
犯「ごちゃごちゃ喋ってんじゃねぇ!」
乱歩さんの言葉を遮るように襲いかかってくる男、それをひらりと避ける乱歩さん
乱「君たちの負けはもう確定したよ」
犯「は?」
犯「何言って……」
またまた激しい音が倉庫に響く、バタンと外の見張りが倒れる音がした
国「すみません、乱歩さん。予定より23秒遅れました」
乱「僕の予想通りだよ」
…………あ、さっきのって時間稼ぎだったんですね
私はガクッとため息をつく
戦闘員の国木田さん、敦くん、谷崎くん、そして頭脳派の太宰さんが来てくれればもう解決したも同然で…
太「乱歩さん、今、鏡花ちゃんとナオミちゃんが警察を呼んでくれています」
乱歩さんの元に来た太宰さんがそう告げる……見上げるとパチッと目が合った
含みのある笑みで笑ってその場を去っていった
乱「A!ご、めん!気づけなくて」
乱歩さんは直ぐにしゃがみこんで私に被せた自分の外套をさらに包み込むように私を包む
『あ……いえ…私も……すみません……』
乱「ほんとにごめん」
『らん…ぽ…さん…』
俯いて悔しそうに言う乱歩さんになんて声をかけたら分からず…でも、たまらず私は名前を呼ぶ
『乱歩さん…』
私は乱歩さんに寄りかかる
乱「えっ!?A!?…あ、さ、寒いよね…!今、毛布持ってくるから…」
『ん…大丈夫です、乱歩さん…充分暖かいんです』
私は乱歩さんの胸にすり着くように頭を寄せた
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ランポッポの眼鏡になりたい - いいお話でしたぁあぁ 完結しちゃうなんてぇぇぇええ(;ώ;) でも完結おめでとうございます(;ώ; (2023年1月15日 21時) (レス) @page49 id: b523133505 (このIDを非表示/違反報告)
ミミッキュ - 大好きですありがとうございます‼ (2023年1月7日 17時) (レス) @page50 id: 763a55f7bf (このIDを非表示/違反報告)
藍素(プロフ) - 完結おめでとうございます!(*^▽^)/★*☆♪ (2022年12月10日 22時) (レス) @page50 id: 81a29d8f69 (このIDを非表示/違反報告)
すい(プロフ) - 完結おめでとうございます!! (2022年12月9日 18時) (レス) id: b0ccef1124 (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - もういつも更新をワクワクしながら待ってます!スゴイ楽しみすぎて!!更新頑張ってくださいね! (2022年11月18日 22時) (レス) @page27 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こみゅな | 作成日時:2022年11月9日 12時