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【A】
夕食を食べ終え、私は神威くんを玄関まで出て見送ろうとしていた。
本当は近くまで送って行きたいけどそれだと本末転倒だからって神威くんに止められた。
誰も私なんかに手を出す人いないだろうに、神威くんは女性だからか気遣ってくれた。
こうした紳士な対応はむず痒いけど嬉しかったりもする。
神威「じゃあ、ごちそうさま。ママさんにもお礼言っといて」
A「うん。なんか毎回毎回付き合わせてごめんね」
神威「そんなことないよ。ありがたいありがたい^^」
私たちはそのまま別れを告げた。
神威くんの後ろ姿が見えなくなったところで私は家に戻った。
リビングに行くとお母さんが洗い物をしていた。
こっそり2階へ逃げようとすると手伝え、と言われてしまった。
私は仕方なく横に並び洗い終わった食器を拭く。
「やっぱり男の子って凄いねぇ。あんなにたくさん美味しそうに食べてくれて作り甲斐があるわ。あー、うちも息子産めば良かった」
A「今からでもどうぞ」
「んじゃ相手用意しなくちゃ」
お父さんじゃねぇのかよ。
お母さんの悪ノリは無視して私は黙々と拭いた。
するとお母さんは能天気なことを言う。
「にしても、あんた良くあんなイケメン捕まえてきたね。さすが私の子だわ」
A「は?何言っt────」
「Aに彼氏かー。良かったね。最初で最後かもしれないから大切にしな」
なにとんちんかんなこと言ってんのこのババア。
神威くんが私の彼氏ってそんなわけないじゃん。
A「神威くん彼氏じゃないよ」
「え?なんで?」
A「なんでってなに」
「彼氏じゃなかったの?私てっきり彼氏だと思ってたのに。てか逆になんで付き合ってないの?え?」
いや、そんなこと言われても困る。
なんで彼氏じゃないかってそんなの…
────────考えたこともなかった。
でもこれまでの神威くんとの関係を振り返ってみる。
神威くんと2人で出かけたり、家で遊んだり、放課後一緒に帰ったり、連絡取り合ったり…
あれ?
待ってなにこれ。
冷静になってみると、これ本当に友達なのか?
いや友達だからだよね。
やってることまるでカップルみたいだけど────
A「うそ、でしょ…」
「なんか言った?」
私は心臓を押さえた。
何とも言えないこの感情。
私はこれを────────恋と呼んでいた。
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瑠々亜(プロフ) - literarymastertさん» コメントありがとうございます。更新頻度が遅れてしまって申し訳ないです(><)素敵なカップルを書けるよう頑張ります! (2018年10月1日 23時) (レス) id: 95173b8ff8 (このIDを非表示/違反報告)
literarymastert(プロフ) - こういうカップル好きです!笑ニヤニヤしながら見てます!!更新頑張ってください!笑 (2018年10月1日 23時) (レス) id: 2fed73faab (このIDを非表示/違反報告)
瑠々亜(プロフ) - 蛍さん» コメントありがとうございます。ここ数日忙しくて更新めっちゃ遅れてますが、皆さんの温かいコメントを頼りに更新頑張ります! (2018年9月29日 14時) (レス) id: 95173b8ff8 (このIDを非表示/違反報告)
蛍 - 神威くんと夢主ちゃんが可愛いすぎて辛いです!!更新大変だと思いますが頑張ってください!これからも応援してます^^ (2018年9月26日 20時) (レス) id: e7281059f9 (このIDを非表示/違反報告)
瑠々亜(プロフ) - ティアーさん» コメントありがとうございます。もう高評価して頂けただけでも大満足です(T_T)ご期待に添えるような作品になるよう更新頑張ります! (2018年9月25日 13時) (レス) id: 95173b8ff8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠々亜 | 作成日時:2018年9月12日 20時