【後日編】 ページ48
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｢ただいま｣
そんな控えめな声が、眠気を覚ましてくれたんだと思う。熱いコーヒーに時々、舌をやけどするからAが俺にコーヒーを入れてくれる時は大抵、氷をひとつ入れてくれる。
でも今日はいつもコーヒーを入れてくれるAがいなくて、氷を入れるのをつい忘れたから、舌が若干赤くなった。
舌を冷やしてから飲んだコーヒーは時間が経ったからか、ちょうどいい温度で心地よかった。
リビングに繋がるドアが開かれ、スっと脚に寒さが残る。
｢あ〜座ったまま寝ると寝違えるよ｣
『寝てないよ』
｢この前、そう言って首動かしたら痛い痛いって嘆いてたのアキラくんなのに｣
Aの言う俺の名前、｢英くん｣は発音が若干違う。何年もそう呼んでいるから、もう慣れてしまったらしい。
初めの頃は慣れてないから仕方ないものなのかもしれないと思っていたけど、どうも違うらしいので指摘するのにも面倒くさくなった。
そのまま流れるようにしてAはシャワーへ行った。
俺の横を通った時に香った匂い、ツンと鼻に来る独特な絵の具の匂いは、いつまでも慣れなかった。
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｢あ"ぁ〜ブルーシートしてないところにニス付いた！！！なんだこれハート模様になってるじゃんウケるってかAちゃんこれ写真撮って！！！｣
『手が殺人事件犯したみたいに真っ赤っかですけど先生のスマホでいいですか』
｢あ〜Aちゃんのスマホじゃだめ？｣
『嫌ですよ！』
｢馬鹿やってねーで早くニス水で溶かせ｣
『｢はーい｣』
社会人になってからも私は楽しく絵を描いている。まあそれが売りなのだが、未だに飽きずにここまでやれているのも先生と先生の師匠のおかげだ。
先生というのは、高１の時に出会ったあの人。あの後、どうやら作品展に出すであろう私の絵を遥か昔から見越していたらしい。
なのであの後も謎ではあったが、交流は程よく続いていた。
芸大の卒業を機に、この事務所に入ることを決めた。
それと、アキラくんとも程よい"恋人関係"というのも続行中だ。友達の頃と距離感も余り変わらなかったし何気ない日常がただ流れていくだけ、
少し違うのは私の絵を誰かさんが勝手に売っているっていうことだけかな。
｢いやはや、教え子と同等なこの子の知名度が上がることは悪いことでは無いですねえ。
もちろんお金は全額渡していますよ｣
相変わらずである。
シャワーから出ると、脱衣所の窓から日の日でりを浴びる。今日も空は青色だ。
終わり
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れい - やっぱり好きな物って暫くして振り返るとしみじみしちゃいますね…私があきらくん推しになった頃に追っかけてたなぁって懐しんでますwww (1月3日 16時) (
レス) @page48 id: e1c5f3df3f (このIDを非表示/違反報告)
夕陽 - なぅちゃああああああ！！！ゆっくりでいいから更新ファイト！！！ (9月4日 18時) (レス) id: 068cca9f48 (このIDを非表示/違反報告)
夕陽 - なぅちゃん、せっかく返信してくれたのにごめんね、なぜかログインできなくなってる。新しいのでたなってみてみたら「は、良すぎだろ！？」で家で叫んで怒られたお(なんか叫んで怒られることが多いこの頃ですが)頑張ってー、応援してるぜｲｪｱ (2022年11月26日 19時) (レス) @page6 id: 788b39c782 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なぅ | 作成日時：2022年10月29日 18時
