居ても立っても居られない ページ46
サヤside
あの日。
何故か私は牢屋から解放された。
お姉ちゃんはまだあの村に居るらしい。
…何故かわからない。
あの日には不思議な事が沢山あった。
私は召使いをやめてもいい事になり、ナギは婚約破棄になって、ミカさんは牢屋から解放され、アオイが故郷の村に帰ると暖かく村に迎え入れられた。
どれもみんなが望んでいた事だけど、お姉ちゃんが帰って来ないのが気になる。
アオイちゃんとミカさんの話によると、村ではお姉ちゃんを見かけてないらしい。
……嫌な予感しかしない…。
本当に、何がどうなってるのか。わからない。
そう考えながら川の中に足を入れてバシャバシャする。
すると、向こうから同い年くらいの子達が集まって来た。
「ねえねえサヤちゃん!向こうで一緒に遊ぼうよ」
「行こ行こ!」
「行こーぜ!」
この子達は昔から私をいたぶって嘲ってきた子達。
なのに急に私への態度が変わった。
…やっぱり何かおかしい。
この事も召使いと牢屋から解放された事もお姉ちゃんの姿が消えた事と関係あるのか。
サヤ「あー…ごめんね、私ちょっと行くところがあるから!」
「そっか!わかったー!」
私は手がかりを探すため、ナギの居る村へと寸暇を惜しんで急いだ。
*
サヤ「ナギー!」
村に着いた。
ナギ「おー、サヤ。どうした?」
丸太の上に座っていたナギは立ち上がる。
サヤ「いや、お姉ちゃん帰ってきてないかなーって。」
ナギ「まだ帰ってないんだよ…本当に何があったんだろうな。アオイも見かけてないって言ってたし。」
サヤ「そうだね…本当に心配…」
ナギ「何か行動しなきゃいけないけど、何も思いつかねえ…」
ナギは腕を組んでそう言う。
サヤ「居ても立っても居られないけど、どう行動していいか…あの村でも見かけないみたいだし…」
ナギ「Aが無事だって信じる事しかできないな…」
二人して黙り込む。
私は今にも泣きそうになる。
だってお姉ちゃんがいなくなったら…
私、家族がいなくなっちゃう。
泣きそうな私に気づいてくれたのか、ナギが私の頭に手を置いた。
それと同時に鼻の奥がつんっとなって、涙が溢れて来た。
ナギ「泣きたい時は泣いとけ」
サヤ「…ぐすっ…うん」
私は泣いて泣いて泣いた。
…またお姉ちゃんに会えると言い聞かせながら。
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もうお姉ちゃんに会えない事を知る余地もなかった。
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茅 - 絵上手いですね! 書き方教えてほしいです、、、、。私、好きな人がいます。告るか悩んでて、、、。どうしたらいいですか? (2020年10月20日 11時) (レス) id: bcdcf4ec06 (このIDを非表示/違反報告)
茅 - 謎の沈黙ターイム(バリトン)wwこれ、気に入りましたww (2020年10月20日 11時) (レス) id: bcdcf4ec06 (このIDを非表示/違反報告)
雛紗(プロフ) - もんじゃさん» コメントありがとうございます!え!本当ですか!?嬉しいです^^ありがとうございます! (2018年6月15日 19時) (レス) id: db311f7197 (このIDを非表示/違反報告)
もんじゃ(プロフ) - 絵めっちゃ上手ですね!! (2018年6月15日 17時) (レス) id: 84ebad2ff3 (このIDを非表示/違反報告)
メグル - 雛紗さん» 承知っすw (2018年6月13日 22時) (レス) id: 5915396e2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雛紗 | 作成日時:2018年4月9日 17時