売り言葉に買い言葉 ページ43
Aは何も言わずにミカを抱き締めた。
続いてサヤもミカを抱き締める。
貴女『…今は思いっきり泣きましょう。強くなるために。涙がまた私達をひとつ強くするから…』
3人は、泣いて泣いて、泣いた。
*
貴女side
私の涙も枯れて来た頃。
私以外の二人は眠ってしまった。
右の肩にサヤの頭、左の肩にミカさんの頭。
私は真ん中で勾玉を指でなぞる。
…この勾玉は元は丁のお母さんであるミカさんのものだったんだよね…。
ミカさんが丁のために作った勾玉の首飾り。
その一部を私が持っている。
…これは私が持つべきものじゃない。
私は首飾りを外して、ミカさんの首にそれを掛けた。
“ミカさんがいつか丁に会えたら、また丁にそれをプレゼントしてあげられるように。”
そう願いを込めて。
…そういえば、なんで私達がここへ連れてこられたのか、教えてもらうの忘れちゃったな。
ミカさんが起きたら聞こう。
私も眠ろうとした時、集会所に誰か入ってきた。
それはこの村を支配する、村長だった。
そして、牢屋の鍵をゆっくりと開けた。
村長「…お前、ちょっと来い。」
貴女『……はい』
警戒心警戒心。
*
私はすぐ外に連れて来られた。
貴女『…私とサヤをどんな理由でこの村に?』
村長「…知りたいか?まあそれを言うつもりで読んだんだが。
お前を雨乞いの生贄に、お前の妹はこの村の青年の嫁にするつもりだ。」
貴女『…え?』
村長「聞こえなかったのか!?我が村には雨が降らん!!だからお前を生贄にすると言っているんだ!!この生意気な小娘が!!!」
私は深く息を吸う。
貴女『……生贄なんて出しても神様は雨なんて降らしてくれません!!!』
この大声で近隣の住民達は目を覚ました事だろう。
村長「馬鹿言うな!!」
貴女『そもそも殺生は救済と説くのはおかしいこと!それに!!!』
村長「なんだ?」
貴女『恋する女の子の気持ち無視して、勝手に妹を知らない人と結婚させる事なんて出来ません!』
サヤはきっと誰かの事が好きだ。
…よく考えると、もしかしたらナギだって誰かの事が好きかもしれない。
それなのに私は早くナギのお嫁さんに会いたいな、とか言っちゃったな…
やっぱり、結婚は好きな人とするべきじゃないのか。
改めて強く感じた。
村長「そんな事言っても決まった事だ!」
私は拳を握った。
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茅 - 絵上手いですね! 書き方教えてほしいです、、、、。私、好きな人がいます。告るか悩んでて、、、。どうしたらいいですか? (2020年10月20日 11時) (レス) id: bcdcf4ec06 (このIDを非表示/違反報告)
茅 - 謎の沈黙ターイム(バリトン)wwこれ、気に入りましたww (2020年10月20日 11時) (レス) id: bcdcf4ec06 (このIDを非表示/違反報告)
雛紗(プロフ) - もんじゃさん» コメントありがとうございます!え!本当ですか!?嬉しいです^^ありがとうございます! (2018年6月15日 19時) (レス) id: db311f7197 (このIDを非表示/違反報告)
もんじゃ(プロフ) - 絵めっちゃ上手ですね!! (2018年6月15日 17時) (レス) id: 84ebad2ff3 (このIDを非表示/違反報告)
メグル - 雛紗さん» 承知っすw (2018年6月13日 22時) (レス) id: 5915396e2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雛紗 | 作成日時:2018年4月9日 17時