チビだったからってナメんなよ【マフィア松】

101，普通泣く!? ページ29

〜夢主 side〜


パキン


ガラスが割れるような音がして、それと同時にふっと何かが抜けていく。

カイ「なっ…!?」

『おお…ちゃんと動く…』

カイ「…これが狙いか」

おそ「まぁね」

へらりと笑うおそ松。

カイ「うーん…でも、僕に勝てるの？」

『いやぁ実に残念なんだけどさぁ。勝てちゃう気がするんだよねぇ…』

カイ「確証があるんだ？」

『だって君、すっごい弱いじゃん』

カイ「え」

私のセリフと同時にシオンが吹き飛ぶ。

というか、吹き飛ばした。

拳がめちゃくちゃ痛いけどバレないように。

怖いくらい綺麗に笑ってみせる。

『私ね、今すっ……ごく機嫌が悪いの』

笑ったままシオンにゆっくり歩み寄る。

『肩痛いし嫁とか言われるし結構疲れたし1ヶ月放置されたし』

カイ「いや、最後のは僕のせいじゃn((『黙れ』 すいません…」

崩れた。

やっぱりこいつは、心が弱い。

いくら身体を強くしたって、心が弱くちゃ意味が無い。

強がるだけじゃ意味が無い。

こいつは強くなれなかった。

『安心しなよ』

シオンの目の高さに合わせる。

『私ってば優しいから』

震えるシオンの首に糸を絡める。

『一瞬で楽にしてあげる』

ぐっと糸を引く。

カイ「がっ」

シオンはしばらくバタバタと暴れ、やがて動かなくなった。

シオンの首には赤い線が出来ていた。

『やっぱ肉は切れなかったか…』

チョロ「窒息？」

『多分ね』

さて、帰ろうか。


・・・・・・・


翌日の朝、私達は東京に帰ってきた。

部下の熱烈な歓迎を流し、今は私の書斎にて反省会の最中である。

レン「すみません！」

高橋「申し訳ありません！」

部屋に入るなり始まった土下座謝罪をどう対処したらいいのだろうか。

『もういいから顔上げて？お願いだから、ね？』

2人は無言のままおそるおそる起き上がる。

『私は君らを追い出すつもりも殺すつもりもない。出ていくのも死ぬのも君達の自由だ』

少し間を置いて、静かに言う。

『だがもしも償いがしたいなら、今まで以上に役に立て。私からはそれだけだ』

レン「いいのか…？」

『だからそう言ってるじゃん』

高橋「…ありがとう、ございます。必ずやお役に立って見せます…」

レン「お、俺も！頑張るから…」

2人とも涙目になっている。

…涙目!?

『え？え!?なんで泣くの!?』

高橋「A様の慈悲深さが心に染みて…」

『いやいや、だからって普通泣く!?』


そのあとなんとかなだめました。

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