伏黒甚爾は恩人でした

10 ページ10

甚爾






,







Aの能力には薄々気付いていた





人混みが多いところにいけば決まって耳を触る癖があり、1度俺の仕事に連れていけば踵で敵の位置を把握しているのを見たからだ






なにかに優れていると、なにかが劣るのは当たり前






俺の場合、五感が優れているか一切の呪力はない






それと同じでAは聴覚、感覚が異様に優れている代わりに視覚が劣っていた







視力面もだがAは色の判断がしにくい。その部分を聴覚で補っていると考察する






『あぁぁぁ！！もーむりだ！』






「もう一本」






こいつは使えると判断した俺はAを鍛え呪術師に育てようと考えた






俺が呪霊を祓えない代わりにAに祓ってもらい金を貰うようにしようと






『甚爾さーん、宝くじの1等が当たるよりも自分に隕石が当たる確率の方が高いんだって』







「どこでそんな知識つけたんだよ。確実にいらねぇだろ」






『本で読んだ』







おまけにAは好奇心旺盛だ。12年間まともに外に出なかった人間が急に放され今まで得ることのできなかった全ての知識を楽しんで得ている






勉強はしてないらしいが雑学とかそっち系の話になればうるさい







でもそんな日々が俺は飽きなくてあの家にいた頃より何百倍と楽しめた










,

11→←9

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す