伏黒甚爾は恩人でした

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『なんでｯ…』





理解が追いつかない。今何が起こってるの？これは現実？






体に鞭を打ってなんとか甚爾さんのところまで行くことが出来た






頭が真っ白になって周りの音なんて聞こえなかった






『甚爾さんｯ…！しんじゃうの？ねぇ…』






彼は私を見てふっと笑い怪我をしていない右手で頭を撫でる






「すまんな、こんな姿になっちまって」






『やだｯ！しなないでよ！！なんで帰ってこなかったの？




なんで諦めて立ち去らなかったの！？こんな姿にまでなって勝たなきゃならない闘いだったの？





いやだ…信じたくないｯ。ひとりにしないでｯ…！！』






きっと今の私は酷い顔をしているだろう。でもそんなのどうだっていい。現実が受け入れられないんだ





大切な人が死ぬ世界なんて私にはありえないと思ってた





なのに目の前に突きつけられる現実が怖くてたまらない





いつだって世の中は不平等だ。苦労した人、酷い扱いを受けてきた人が苦しむようになってる






「A、俺の顔を見ろ。俺はこうなったことに後悔してない。それくらい価値のある闘いだったんだ




もちろんAを助けたことも後悔しちゃいない。Aの存在が俺の劣等感も全部なくしてくれた




お前は俺ら側のような人間になるな。まだ若いから絶対にやり直せる




術師を殺すんじゃなくて助けてやれ




自分の強さを人のために使ってやれ




あの2人がきっとこの世を変えてくれる、Aみたいに苦しむガキらを助けてくれる




A










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幸せになってくれ









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