黒薔薇の花束を貴方に【文スト】【芥川龍之介】【ヤンデレ】

一輪 ページ3

『…はい…？』
云われた言葉の意味がわからない。
しかもだ。しかもこの人芥川龍之介さんじゃないの？
なんか顔に赤黒い何か塗ってるけど。
やっ…ヤバァ…ちょっとまってヨ…いま猫撫でてんじゃん。なんで話しかけるかなぁ…威嚇して猫は逃げるし私一人だし、ぼっちだし。アァこのまま家族にも会えずに死んじゃうのかぁ嗚呼もう最悪だよ。

「おい…聞こえぬのか」

てかさなんで私なんかの名前知ってんのかなぁ、殺すために調べられてたら泣いちゃうなあ…うう…


「おい…」

『ッ！？！』

一人でブツブツとしゃべっている間に黒い何かが私の体にまとわりついていた。黒薔薇は彼の手に握られたまま。

しゃがんでいた体制からだと顔はよく見えなかったが、いまは彼よりも…というより、地面から数メートル程上にあげられている

『あっ…あっ…い命だけは！！(泣)』

「先ほどの話を聞いていなかったのか？愚者が。」

縛る力が強くなっていっている。
肺が圧迫され呼吸がしにくい。

あれ…？私本当に死んでしまうのか？

「伴侶になれと云っている」

『はっ…伴侶…ッ？』

伴侶って奥さんってこと？

でも殺人鬼…しかも初めて会うのにどうして私なんかに…？

『あっの…』

瞬間私の真横を黒刃がかすめていった。
額に冷や汗が伝う。

「首を振れば殺す」

『ひっ』

「意見しても殺す故」

いいな？と押し切る形で地面へと降ろされた。

彼の頬の血が人間のものだと躊躇わずに理解したのはこの時だ。

二輪→←設定！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す