夜の光〔文スト〕 (ページ26)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:61,672 hit

意志ページ26

A「安心しなよ。君は処刑にはならない。」
志賀「何でですか。
＿俺があの場に居なければ貴女は怪我をしなくて済んだんですよ？
そもそも、俺があの時あんな事しなければ…」
あんな事とは、ひったくりのことだろう。
A「それはどうかな？君が居なかったらあの倉庫で私達は死んだかもしれない。」
志賀「そんな事は有り得ない。」
A「全ての出来事は紙一重なんだよ、志賀君。何時何が起こるかわからない。倉庫に入った瞬間に敵が自爆して巻き込まれるとかね？
＿＿そうなったら面白いなぁ…」
最後に思わず本音が漏れた。
A「まあそれはいいとして、私は話があって来たんだけどいいかな？」
志賀「……はい」
A「１つ目、君に謝らないといけない。君は怒るかもしれないけど

＿あの時君の異能が暴走したのも、私が怪我をしたのも計算通りだったんだ。」
志賀君は眼を見開いた。当然だろう。
A「次は質問。今の話を聞いた事も含めて考えて。君はマフィアに居たい？」
志賀「……俺は…、貴女の事を傷つけた。マフィアにいる資格なんて無い。

俺には…生きている資格だって＿＿」
A「志賀君。」
私が声をかけると志賀君は顔を上げた。
A「１つ上司らしい事でも言ってあげよう。自分を憐れむな。自分を憐れめば人生は終わりなき悪夢だよ。

＿＿志賀君なら大丈夫。」
私はそう言って微笑んだ。
志賀「俺…は……

マフィアに…貴女の側に居たい……です。」
私はそれを聞いて笑った。
A「勿論。＿＿＿最後のは告白みたいだね」
少し茶化すと志賀君は顔を真っ赤にして狼狽えた。

A「じゃあ話を戻そうか。今回の件は異能の暴走による事故って言っておくよ
＿万が一兄に知られると君が消されかねない。」
私が苦笑いを浮かべると志賀君の顔が青褪めた。
志賀「え…あ……」
尋常じゃ無い。
A「おーい。どうしたの？」
志賀「えっと…お兄さんてAさんと似ていらっしゃる？」
混乱しているのか口調が変だ。
A「まあそりゃあそっくりだよ？何で？」
私が聞くと志賀君は私の後ろをゆっくりと指差した。
A「？…………あ」
中也「よおA？今の話はどういう意味だ？」
何時もは優しい兄が鬼の様だ。
A「これはこれは中原幹部…そのままの意味ですよ？」
＿＿混乱もするよな。
中也「そのままの意味なあ…じゃあ其奴を消しても文句はねえよなあ？」
兄はそう言うと悪魔の微笑みを浮かべた。