私の一番キライでスキな生き物4【銀魂】

鬼が三十五匹 ページ34

「かつてわしらの祖も1人の女も奪い合い、滅びた
巳厘野(ぬしら)の祖から大切なものを奪い闇へと堕としめたのは我が先祖
また、同じ過ちをわしは繰り返してしまったんじゃな

だが、道満こたびの戦い、女を死なせるわけにはいかぬ
そして道満貴様も死なせはしない
死ねるはわし1人で十分じゃ｣



晴明さん…



「道満お前がクリステルに惚れておったのは知っていた
そんな思いとは、私への敵愾心 一族の圧力 様々な想いに身を絡まれ、お前が苦しんでいたこともきっと取り除けると思っていた

これで3人が笑える時代が来る
…そう思っていた｣

｢だが結局わしはクリステルも
お前も…傷つけただけじゃった

ままならぬな道満
たとえ千の法術が使えても友達と仲直りする術一つわしは知らんのじゃ

お前はそんな姿になるまで追い込んだのは…このわしじゃ
わしにはお前を…受け止める義務がある
憎しみ 悲しみ
お前の全てをわしにぶつけよ
お前の闇は私が全て受け止める｣

｢1000年続いた馬鹿げた結果、わしの命一つで終わらせられるなら安いものじゃ
これで全て終わりにしよう道満

全てを壊し…自分をも失った、祖が過ち繰り返してはならん!!
闇(そこ)から戻ってこい道満!!
思い出せ!!お前が惚れた女は暗き空の下で雨に濡れる女であったか
お前が惚れたクリステルは…
わしらが愛したクリステルは…!!｣



晴明さんの語りかけに道満さんは反応せずドンと晴明さんを攻撃した



｢晴明さんんんんんんんん!!｣



「…御門が末裔よ
もう何もかも遅い
闇(われ)に飲まれた
道満(きゃつ)にはもはや誰の声も届かぬ

己が闇にとらわれた
鼠輩めが我が力使いこなそうなど笑わせる
だが、こ奴が負の情念
実にいい依代となったありがたく頂戴するぞ
これで結野と巳厘野の忌まわしき御門の正統な血筋は消えた
だが、1000年にもわたる我が呪い、これしきでは消えぬぞ
我を封印せし御門一族の血、この地上には一滴たりとも残さぬ」



「…!!」



｢なっ｣



皆の目線の先、闇天丸の手の上には何者かがいた



「《きっ…貴様はっ…?!》」



｢ただのファンだ｣



銀時…!



ドォガン!!と銀時は闇天丸の手を刺した


｢銀ちゃんんん!!｣



｢まだまだ足りねェェ
もっとビンビンにかたくなるまでよこせぇぇぇ!!｣



｢あれはっ…｣



銀時の木刀に光のようなものが集まる



｢木刀に呪をのせて…｣

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