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『家族は、いませんよ。』


そう俺が言うと、安室さんは驚いたような顔をした。


まー無理もねーか、


『小さい頃、僕が誘拐されて、それを助けに来たお父さんとお母さんが殺されました。後、警察官も…』


そう言うと安室さんは悲しそうな顔をした。あぁ、警察官の前でこの話はキツかったか?


『それから、僕とあと、兄は、保護施設に引き取られました。』


安室「お兄さんが居たんですね?」


まぁ、俺と5歳違う兄がな。俺が言うのもなんだが、完璧な兄だったよ。


『はい、5歳離れてるんですけどね。それで、僕たちは保護施設に居たけど、まぁ、ちょっと…』


これは、言うべきか…?


俺が躊躇してるのが分かったのか安室さんはニッコリと笑い、


安室「大丈夫ですよ。」


そう言って、運転しながらも片手で俺の頭を撫でた。


この人なら、大丈夫か。


『そこにいた人達に、その、性虐待というか…僕が、何歳だったけな、、6歳ぐらいの時…』


そう言うと安室さんは驚いたような、そして、悲しそうな顔をした。


安室「そんな若い時に…」


『相手をしないと、兄を殺すと言われたんです。今考えると、馬鹿げた話ですが、あの時の僕は焦った。』


そう、あの時の俺にとっては、兄は俺の唯一の家族だったから。
大好きだったから、失いたくなかった…。


『それからは、夜に施設を抜け出しては、女と男どっちも引っ掛けてお金貰ってましたね…』


よく補導されなかったな俺。まぁ、それが、1番金貰えたし。


安室「どうして、、自分を大事にしないんですか…?」


そう、泣きそうな顔をしながら言われた。

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作者名:さら x他1人 | 作成日時:2020年5月20日 15時

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