【文スト】常連客の事情【江戸川乱歩】

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「…」




引かれる…そう思った。
誰でも初対面の人が自分を描いてたりしたら気持ち悪く思うと思う。




「す、みま…」




「凄い…」




「え」




「かっこいー！え、上手い、どぅ？似てるー？！」




そう言って絵と同じポーズをとって私に聞いてくる。




「え、あの」




「あ、これ社長だよ！ほらみて！」




と、社長という隣の怖そうな人に絵を見せびらかす。
私は焦ってスケッチブックを取り返そうとするがその子に抑えられて前に行けない。




「ほう」




「ね？上手くない！？」




「上手い、なんて、そんな…」




柄ほどでもない、と云おうとしたけれどそれば遮られてしまった。




「ねぇ」




「は、はい？」




「他にないの？」




今日はたまたま持ってきてなかったため、首を横に振ると「ふーん」と残念そうに行ってｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ




「じゃあまた見せてね！約束！」




とだけ行って去っていってしまった。社長さん？には頭を下げられてしまい、つられて下げる。




「どうしよう…」




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