7話 ページ8
それは、私が女であり、総悟が男であるということ。
昔は互いに高め合うこともできた。
けれど、今はそれができない。
総悟が舞台の上で演技をする役者であるならば、私は舞台の上に上がることすら許されない、下働きの役者に等しい。
筋肉量も、体格も、反射神経も。
女が男に敵うことはないのだ。
私はどんなに剣を振るっても、私は総悟と同じ土俵に立つことすらできないのだ。
生まれ持ったものの所為で、私はこんなにも虚しい思いをしなければならないのだろうか。
女人禁制の局中法度が敷かれた新選組。
近藤さんや土方さんは武州からのよしみでここにいさせてくれている。
私は一番隊副隊長をいう地位に就きながら、それに見合う実力も持ち合わせていない。
それでも、新選組の隊士たちが私に対して謀反を起こさないのは、気遣っているからなのだろうか。
だとしたら、とても悔しい。
「どうしたら、私は強くなれる?」
月に、誰もいない窓の外に問いかけても、答えなど帰ってこない。
答えなど分からない。
それでも、言わないとおかしくなってしまいそうだった。
本当は、誰かに、この言葉を聞いて欲しかったのかもしれないけれど。
41人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:けんそう | 作成日時:2018年5月11日 7時