【銀魂】平行線上の僕ら【沖田総悟】 (ページ39)

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38話ページ39

この後、私が総悟になんと言ったかは、想像にお任せするとして。

私は今、総悟におぶられて、屯所までの道のりを進んでいた。

足を怪我していることを忘れ、無我夢中で走った。

非常に情けない話なのだが、そのせいで私の足の具合は悪化した。

大きなそいつの背中に身を預けて、月に照らされながら、かぶき町を歩く。

「帰ったら、ひと試合しよ。」
「今何時だと思ってんでィ。」

「今なら総悟に勝てる気がするんだよね。」
「上等だ。」

・

無我夢中で剣を振るった。

年は経ち、力量も技の繰り出し方も、全てが変わってしまった。

けれど、今だけは、昔に戻れた気がした。

私は今まで盲目になっていた。

男女の力の差が、なんとかして一番隊副隊長に相応しい力をつけなければいけないと躍起になっていた。

＿＿＿＿＿＿なりすぎていた。

夜更けだというのに冴えている頭で、考えながら剣を振るってゆく。

確かに、女の私では体力も、力量も総悟には敵わなかった。

でも、幼馴染だからわかる弱点がひとつだけあった。

私は素早く距離を取り、竹刀を総悟の顔目掛けて投げつけた。