37話 ページ38
「上等じゃねぇか。
それでこそ一番隊副隊長でさァ。」
ひんやりと冷たい夜風が私を燻る。
あれ、お姉ちゃん。
私なんで悩んでたんだっけ。
私が何度話しかけたって、そこ、
ミツバ姉のお墓から返事なんて帰ってくるはずもないのに。
甲斐性もなく、小さい頃から何かあるとここへきてしまうのだ。
私、もう一度頑張ってみるよ。
いつか真選組で良かったと、沢山の人を守れたと胸を張って言えるように。
それまでまっててね、お姉ちゃん。
口に出すのは恥ずかしいから、心の中でそっと呟いた。
「そういえば、お前からの返事を聞いてなかったよなァ。
俺は言ったのに。
お前が好きだって。」
不意に総悟の顔が私の鼻先に触れるか触れないかくらいまで近づいた。
そんなことを言われれば、普段意識しないはずの些細なことすらも目についてしまう。
曲線を描く喉仏だとか、広い肩幅だとか、筋肉の筋がついた腕だとか。
思わず後ずさりそうになるけれど、総悟が私の腕を掴んだ。
まるでもう、逃がさないとでも言うかのように。
「どうなんでィ、Aは。」
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作者名:けんそう | 作成日時:2018年5月11日 7時