検索窓
今日:3 hit、昨日:39 hit、合計:57,724 hit

2話 ページ3

総悟との組合が終わり、私は腕を広げて道場の床に寝転がった。




道場の床は所々歪んでいて、新選組隊士の努力の跡が垣間見える。






「...負けた。」






「負け犬にはペナルティが必要でさァ。」


仰向けに寝転び、宙を見る私を見下ろし、総悟は言った。




「昔の話でしょ、それ。

いいじゃん、ペナルティ無しに試合くらいしてくれたって。」




昔は、まだ歳が片手で数えられたくらいの時は、よくペナルティで山を走ったものだ。



私も、総悟もお互いに勝っては泣けての譲らない試合を幾千とも繰り返していた。


山を悔しい思いで登りきった暁には、二度と負けないと誓うのだが、それは相手も同じこと。



負けず嫌いだったのだ。
私たち二人は。



それでお互いに高め合ってきた。


お互いに新選組という土俵に上がって来るまで成長できた。



私はむりくと体を起こす。





「ねぇ、総悟。

もっかい試合しよう。


土方さんの備蓄マヨネーズをかけて、さ。」









総悟の口角が上がるのが分かった。


幼馴染として、総悟のことは結構知っている。




こいつが並みの挑発じゃ乗らないことも。

面白そうな事には、目がない事も。





「俺が勝ったら土方さんのマヨネーズは全部Aにプレゼントしてやるよ。

毎日三食、犬の餌、存分に味わいな。」




「私が勝ったら土方さんのマヨネーズ、全部あんたの口内にブチまけるから。」




こうやって終わらない試合を繰り返す事が、楽しかったりするのだ。

3話→←1話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
41人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 沖田総悟   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:けんそう | 作成日時:2018年5月11日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。