鬼殺隊の舞姫【鬼滅の刃】

第30話▽硬い頭 ページ32

貴方side


「っ…？その台詞……。お前……A…か？」



『おっ、思い出したの！？伊之助！』



「……？どういうことだ？」


「お前！！最終選別の時どこいってたんだよ！！待っとけって言っただろ！！あの後俺がどれだけ歩いて探し回ったと思ってんだよ！！」



『だって！！伊之助が行ったあと、私のとこにも鬼来たもん！それで、倒してたら迷子になっちゃったんだって！！でも、伊之助が無事で良かったぁぁあ！！』


私は泣きながら走って伊之助に抱きついた。


「あっ、ちょっとA！その人は頭がっ」



「やめろっ！！お前と居るとほわほわすんだよ！はなれっ……」


そういった直後、伊之助はガタガタ震えだして白目を向いて気絶した。



『え……！？』


「うわっ！！たおれたぁ！！！………死んだ？死んだ？」


『えっえっ、縁起でもないこと言わないでよ！』


伊之助を抱えていた私は、そっと床に寝かせた。



「いや、死んでない。多分脳震盪だ。俺が力いっぱい頭突きしたから…」



はぃ？頭突きで脳震盪……


ぶるっと体が震えた。



「お兄ちゃんは大丈夫？」


「うん。」


「すごーい！触っていい〜？」


「いいよ！」



お、恐ろしい……そう思っていたのは善逸も同じだったようで、少し震えていた。


「お兄ちゃんの頭かたぁい！」


「そうかなぁ」


恐ろしい、けど癒されるな……この風景。



そう思いながら、テキパキと手当を進めた。

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