犬＊２３３話＊ ページ45
ランマルはソウさんの手を払うと、私の肩を掴んで抱き寄せた。
「そんないい加減な希望、持たせるんじゃねえ！そんな適当なこと言って･･･後々Aが傷付いたらどうする！？」
「･･･？何で君が怒るの？････ああ、そっか。君からすればケイジが死んでたほうが都合がいいもんね」
「は･･･！？」
「ケイジという希望がなくなればAは君に縋る。だから必死に否定してるんだ」
「ち、違っ･･･！！」
『大丈夫だよ、ランマル』
私はランマルの手を優しく握って笑いかけた。
ソウさんの言い分も気になるけれど、今はそんなこと気にしてられない。
ケイジさんが生きているのなら･･･一刻も早く見つけないと。
『良いんだ、いい加減な希望でも。･･･今の私には、それしか縋るものがないから』
「A････」
『････ソウさん。本気で言ってるんですよね、それは』
「ああ、もちろんさ。僕にはどうしても･･･あのケイジが簡単に死ぬとは思えないんだ･･･。サラさん、君は？」
「･････」
ソウさんに問いかけられたサラちゃんは俯き黙っていたけど、やがて顔を上げて･･･。
真っ直ぐに彼の目を見つめた。
「私も･･･思えません。ケイジさんなら生きていると･･･信じたいです」
「あはは･･･珍しく気が合うね。それでA、君はどうしたい？ここでしおらしく泣いてる？」
『･･･本当にケイジさんが生きているなら･･･泣いてる暇なんかないでしょう』
あの会話を、最期になんてさせない。
『探します。どれだけ時間がかかったとしても』
「･･･そう言うと思っていたよ」
「･･･････」
私の肩を掴むランマルの手が強くなる。
痛い･･･という程ではないけれど、流石に人の肩を掴む力ではない。
････ケイジさんが生きてるかもしれないのに、どうして嬉しそうじゃないんだろう。
どうしたの、と振り返る前にソウさんがランマルに話しかけた。
「そんな顔してたらAに嫌われちゃうよ。ましてや、ケイジが生きてることを喜ばないなんて･･･」
「････そんなわけないだろ。Aが幸せなら･･･笑ってくれるなら、それが一番だ。･･･ケイジが生きてることは良いことなんだ」
「･････ふうん。･･･その言葉が君の本心であることを願ってるよ」
「･･･････」
「行こうか、A。サラさん」
「あ、ああ･･･」
『は････はい』
私はおずおずとソウさんの後ろについて行った。
続く (更新停止中)
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にこみうどん - っっっはぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！最高すぎるではないですか！どうしたらこんな最高な小説かけるんでしょう。最高ですね。更新頑張ってくださいね！ (6月17日 17時) (
レス) @page39 id: d8578c819c (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - この作品大好きです！！応援してます！頑張って下さい！！ (6月13日 1時) (レス) @page39 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
空白(プロフ) - とても素晴らしい作品ですー！！是非とも最後見たいので更新待ってますｯｯ (2023年4月1日 3時) (レス) @page37 id: adc5e1c6e8 (このIDを非表示/違反報告)
雫。(プロフ) - ここまで一気見してきました！とても面白かったです！更新待ってます！ (2022年12月31日 22時) (レス) @page33 id: 221078456e (このIDを非表示/違反報告)
天弥(プロフ) - めっちゃ面白いです！無理しない程度に更新頑張ってください！ (2022年4月24日 16時) (レス) id: 6363332534 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかづち
| 作成日時：2021年8月18日 16時
