犬＊２３１話＊ ページ43
大嫌いな声が後ろから聞こえてきて、力なく振り返る。
そこには案の定、ミドリが立っていた。
「･･･ミドリ･･･」
ミドリは座り込んでいるサラちゃんに同意書を差し出した。
「今なら･･･間に合うかもよ･･･？」
それはきっと聞いてはいけない、悪魔の囁き。
だけど･･･サラちゃんも私と同じく、きっと限界を迎えていたのだろう。
それを拒絶するほどの希望は･･･もう既に粉々に砕かれている。
「･･･救え･･･るの･･･？」
ミドリは答えない。
それをサラちゃんはどう受け取ったのか。
「･････」
震える手で、同意書にサインをした。
「はは･･･ははは！！」
ミドリの笑い声が墓地に響く。それが酷く不快だった。
でも･･･そんなことを言ってやる気力はもう無い。
「ついに書いてくれたんだね！！サラ！！」
「いいから早くヒツギを開けて･･･！！ケイジさんが･･･死んじゃうからぁ･･･！！」
サラちゃんの悲痛な叫びに応えるように、ミドリはリモコンをヒツギに向けた。
････だけど。
「････。ああ･･･ごめん、間に合わなかったみたいだ」
『･･･････････は？』
ミドリは悪びれることもなく、笑いながらリモコンを捨てた。
「熱でヒツギの蓋が溶けて癒着してる･･･。物理的に無理だ･･･残念」
･･･････無理？残念？
何を･･･言ってるの？
だって、助けてくれるって･･･サラちゃんは、私はそれを信じて･･･。
無理って･･･何なの････？
「お前･･･！！嘘つきやがったのか･･･！？」
「嘘なんかついてないよ。僕は始めから『救う方法を教える』としか言ってないよ」
「だから･･･騙したって言ってんだろうが･･･！！」
『･･･ケイジ･･･さん････』
呼んでも返事は返ってこない。
当然だ。ケイジさんは今、目の前で焼かれて死んだのだから。
･････死んだ？ケイジさんが？
死んでないよ。何を言っているの？ケイジさんが死ぬわけないじゃん。
ずっと私を導いてくれていた、あのケイジさんが死ぬわけ････。
「あはは。A、すごい顔してるね。そんなにショック？」
『･･･････』
「うーん、返事してくれなくなっちゃった。まあでもしょうがないか。あんなに大好きだったケイジが死んだんだもんね」
『････死んだ････』
「あれ、もしかして現実逃避してたの？認めなよ。もうケイジはこの世にいない」
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にこみうどん - っっっはぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！最高すぎるではないですか！どうしたらこんな最高な小説かけるんでしょう。最高ですね。更新頑張ってくださいね！ (6月17日 17時) (
レス) @page39 id: d8578c819c (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - この作品大好きです！！応援してます！頑張って下さい！！ (6月13日 1時) (レス) @page39 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
空白(プロフ) - とても素晴らしい作品ですー！！是非とも最後見たいので更新待ってますｯｯ (2023年4月1日 3時) (レス) @page37 id: adc5e1c6e8 (このIDを非表示/違反報告)
雫。(プロフ) - ここまで一気見してきました！とても面白かったです！更新待ってます！ (2022年12月31日 22時) (レス) @page33 id: 221078456e (このIDを非表示/違反報告)
天弥(プロフ) - めっちゃ面白いです！無理しない程度に更新頑張ってください！ (2022年4月24日 16時) (レス) id: 6363332534 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかづち
| 作成日時：2021年8月18日 16時
