【夏油傑】初めまして、結婚して欲しい

24 hearts ページ24

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「逃げるからでしょ、ね？」


と、私の顔を気持ちの
悪い手つきで触った。
涙が零れた。



「あーあ泣いちゃったぁ〜」



誰も彼もが見て見ぬふりをしていた、
そうしたら、気付いたら目の前の男の手が
黒い革靴に踏まれていた。
私の顔を触った手も誰かに掴まれていた。




「何してんの」



思わず、肩がびくと怯えてしまうぐらい
低い声だった。
顔を上げると、
それはずっと待ってた傑の声で、
腰が抜けた。



3人もいた男たちのうちの
ただ見ていた2人はすぐに逃げていった。
もう1人は手を踏まれて、
腕は掴まれているから
逃げようにも逃げられない。




「いってぇな！！離せよ！」

「黙れ。酔いは覚めたか？猿」




傑はその男を1度、殴った。
私の為にしたのかもしれないけど、
傑が少し怖かった。
男はよろよろとしながら逃げていった。

傑は落ちていた指輪を拾って、
腰を抜かした私の身体を
ベンチに座らせて汚れをハンカチで
拭いて、無言のまま
私の左薬指に指輪をはめた。




「ごめんね、A

花火、見ようか」



私の涙を手で優しく拭って、
手を繋いで傑について行った。
冷えきっていた私の身体が、
熱くなっていくのを感じた。



「うん、」



.作者
きゃっきゃうふふ

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