【文スト】私の兄はシスコンです。【芥川龍之介】

拾肆話 ページ17

樋｢此処です。｣

｢…ありがとうございます。｣

樋｢Aさんは敵ですが、芥川先輩の妹なので。｣

｢本当にありがとうございます。｣

樋｢さぁ、中にどうぞ。私は外で待ってますから。｣




扉を開けて、そう言う樋口さん。



私の事をまだ少し警戒しているのか、目は鋭く細くなっている。




｢それじゃぁ、失礼します…っ。｣




樋口さんにそう言い、中に入る。




すると、静かに扉が閉じられた。




芥｢……。｣

｢兄さ…っ｣




色んな所に包帯を巻かれた兄さん。




本当に、痛々しい。




｢兄さん…。｣




目を閉じたままの兄さんの手を握る。




数週間ぶりに会う兄さんなのに、こんな再会なんて辛過ぎるよ。




｢兄さん、会いに来たよ。私から会いに来る事なんてこれが最初で最後なんだから、早く目を開けていつもみたいに抱きしめてよ。｣




本当に、早く目を覚めして…っ。





もう、涙が溢れちゃうよ…っ。

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