ウタコイ５８ 歌詞太郎side ページ19
キラちゃんは目を覚まして少し僕と話すと、隣に座っていた９６ちゃんに席を外してほしいと頼んだ
９６ちゃんはすごく不満そうだったけど、キラちゃんがあまりに必死に頼むので
９「じゃあ、その次ちゃんと私と話してね？」
と言いながら部屋を出て行った
ドアが閉まり切ると、カチャリと鍵がかかる音が静かな室内に響いた
キラちゃんは鍵が閉まるのを見届けると、ふぅとひとつため息をついて僕に向き直った
…僕の全てを、見透かしていそうな目だった
けど、それでも不思議と嫌な気分にはならなかった
歌「キラちゃん…君にも言いたいことがあると思うけど、まず怪我するまでの経緯を教えてもらっていいかな」
できるだけ優しく、僕は切り出した
キラちゃんがどこで切り傷を負ったのか…きちんと聞く義務が僕にはある
キラちゃんは、少し不満げな顔を見せていた
…初めて、そんな表情見た
「…ドラッグストアで、お父様に見つかってしまったんです
こればかりは、私の不注意以外の何物でもありません
昔から行きつけだったので、そこで張り込みしてれば私に会えるだろうとお父様は待ち構えていらしたそうです」
お父様、という時だけ眉をひそめて、あからさまに不満の意を表しながら説明してくれた
でも…そうか
キラちゃんが昔から行っていたところは目星がつけられているのか
これからそこに行かないように配慮するとともに、どうしても行かなきゃいけない場合は僕らで守らなきゃいけないわけだ
そんな使命感がわくとともに、僕は罪悪感に飲まれていった
歌「そっか…僕が頼りないばかりに、怪我させちゃってごめんね…」
そう、キラちゃんがドラッグストアに行ったそもそもの原因は、僕にあるのだ
申し訳ない
これでキラちゃんが運悪く…最悪のパターンとかにでもなっていたらと考えると、背筋がすっと寒くなる
青ざめた瞬間、下げていた頭を撫でられた
歌「えっ…」
思わず顔を上げると、キラちゃんが優しく微笑んでいた
「歌詞太郎さんは、いつも私達のお父さんみたいな人って言われて、歌詞太郎さん自身もそうなろうといろんなこと我慢してます
痛いなら痛い、辛いなら辛いって、いえばいいんです
お父さんじゃなくなったって、そんなに我慢しなくたって、歌詞太郎さんを嫌いになる人なんていないです」
その言葉を聞いた瞬間、胸の内に温かいものが溢れ、僕はキラちゃんの前で涙を零した
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 66人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ami - 神咲のあさん» すみません本当に有難うございます!!もう可愛いし面白いしで思わずメモりました(( 続編も楽しみにしてます!! (2016年8月2日 19時) (
レス) id: f8ef673c3c (このIDを非表示/違反報告)
ami - 神咲のあさん» 有難うございます!!体調崩されない程度に更新頑張って下さい(*^^*)あと替え歌っていうのが抜けてました…「夢主/96ちゃんなう！」の歌詞をお願いします、すみません…! (2016年7月31日 23時) (レス) id: f8ef673c3c (このIDを非表示/違反報告)
神咲のあ(プロフ) - amiさん» 読んでくださりありがとうございます！リンちゃんなうの歌詞ですね、今忙しくて更新できてないので、少ししたらそれ含めてかきたいとおもいます！ (2016年7月31日 10時) (レス) id: 0cca539cb5 (このIDを非表示/違反報告)
ami - 凄く面白いです…!もし良ければ夢主ちゃんと96さんで歌った「リンちゃんなう！」の歌詞を見てみたいです!! (2016年7月31日 0時) (レス) id: f8ef673c3c (このIDを非表示/違反報告)
神咲のあ(プロフ) - エリラさん» ウタコイも読んでくださってありがとうございます！本当に励みになります！ (2016年5月10日 19時) (レス) id: 0cca539cb5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：神咲のあ | 作成日時：2016年4月9日 22時
