思い出しかない高校時代に戻ってたとかウケるんですけど【音駒高校】

34話 ページ36

『ふっ、あははっ！！
やっぱり、この時期は皆人生思い返すよね』



少し深刻そうな顔をした孤爪くんを横目に笑い飛ばした。
誰だって、不安に決まってる。

自分の未来なんて、分からないんだから。

大人は、学力がどうとか、現実を見るとか、
所詮は他人事だからそんなに簡単に言えるんだ



『私もね、昔は悩んでたなぁ
けど、気づいたら大人になってるもんだよ？』


「…まだ高校生じゃん」



どさっ、とノートを机において、職員室を出る。
少し細い目を向けられて、なんだか無性に頭を撫でたくなった。



『黒尾さんのあとをついていってただけじゃないよ、そんなの。
私でもわかるよ
バレーしてるときの孤爪くん、ゲームしてるときみたいにキラキラしてるし
でもそうだね、一つアドバイスするなら、
孤爪くんが心から好きなことをやるべきだよ』



頭に浮かぶ、バレーをする彼。
少し気怠そうにボールに触れていた。

しかし、仲間に囲まれている姿は輝いていた。



『頑張りすぎると苦しいから
程々に手を抜いて頑張れ少年！』


「…おばさんみたいなこと言う」


『し、失礼だね、相変わらず』

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