思い出しかない高校時代に戻ってたとかウケるんですけど【音駒高校】

20話 ページ22

『うわぁ…まじやばいっしょこの暑さ…
私もうアラサーよ、死ぬよ』


「…うるさい中村」


『うっ…あの日、ゲームに釣られた自分を恨むよ…』



合宿当日。
私はあの日、致命的なミスを犯した。

そう、あのとき黒尾さんが言った「臨時マネージャー」という単語。


それは、灰羽くんに勉強を教えるだけでは済まないことを物語る。



『き、聞いてないですよ！！！
そうじゃなくても先週から灰羽くんの相手して
頭おかしくなってるんだけどまじ卍っつーか
むかちゃっかふぁいあー！！！！』


「わ、わりぃ…だいぶ疲れてんな…
でも、人手が足りなくてよ…」


『…そんな顔しないで下さい、
高校生をいじめてるみたいじゃないですか…
はぁあ…
黒尾さんも、練習のあとの勉強付き合ってくださいよ』


「えっ！？リエーフのか！？」


『当たり前っしょ、殴るよ？』


「そ、そんな目で言わなくても…」



どうやら、この合宿だいぶ時間がない。
マネージャーとして働くことになった私は、猫又さんに色々と指示をされた。

そして、今から黒尾さんと一緒に他校の人の引率をするらしい。



『…はぁ、孤爪くん、
お願いもう一個聞いてもらうからね？』


「え、やだ」


『そんな可愛く言ってもだめ！！』


「…お金？」


『君は私をなんだと思ってる？？ん？？』



私から恐喝を受けることになると思ったらしい彼は分かりやすく顔を歪めた。

歩きながら孤爪くんに文句を言っていると
向こうから真っ黒な服を着た集団がやってきた。

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