思い出しかない高校時代に戻ってたとかウケるんですけど【音駒高校】

17話 ページ19

「最近孤爪くんと仲いいんだねA」


『へっ？そ、そう見える？？
照れるなぁ！』



みかにそんなことを言われて大げさに手を頭に当てる。
テストも終わり、一段落ついた今日この頃。

私の周りではバイトを始める、という人が多い。


私は、高校生になってまでお金を稼ぐのに時間をかけたくないので
ゲームの開発に力を込めることにする。


夏休み、やることが一杯で楽しみだなぁ。

なんて、6限目にずっと考えていた。



「中村…」


『…？なんだいなんだい孤爪くん』



私の名前を呼んで、少し躊躇う。
え、呼んだのに？

そもそも教室で彼が話しかけてくるなんて珍しいな、
と思うが、周りには人がいなかった。

皆、もう帰ったらしい。



「…お願いが、あるんだけど」


『…？また？？』



この子、私にお願い事をするとき
毎回嫌そうな顔をするなぁ、

まぁ、それだけ仲良くなれたってことかぁ！
と自分を自信付けながら、


ちょこん、と掴まれた裾を引っ張られた。



『え…？孤爪くん？』


「説明するの、めんどくさいから来て」


『えぇ…お願いする立場なのにめんどくさいの…？
マジ卍』


「…」


『無言とかつらみなんですけども』

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