人を信じるってこんなにも難しいんだな… ページ5
一気に獲物を狩る様な目になった森さんが尋ねてくる。
「君、異能者なのだね?どんな異能なんだい?」
「……言いたくねぇ」
そう顔を背け言うと興味深そうに森さんが顎の下に手を当てて拒否した俺を無視して言う。
「もしや私が君を助けたのは君の異能によるものかい?」
「ッ!?なんで分かった!?あ……糞……誘導しやがったな手前……」
顔を歪ませ睨みつけるとにこにこと笑った森さんが肩を竦め言う。
「誘導したわけでは無いよ?私はただ仮説を述べただけだよ?」
すると黙っていた少女が怒った口調で森さんに言う。
「こらリンタロウ!子供をいじめたちゃダメでしょ!」
「いじめてる訳では無いのだよエリスちゃん!ただ私は…「リンタロウなんて嫌い!」そんなぁ!エリスちゃぁん!!」
「やっぱりロリコンなのか森さんって……てかアンタも子供だろ?」
そう突っ込むと少女はまるで何も知らない子供に教えるかの様にクスッと笑って言う。
「アンタじゃないわ。エリスって言うの。それと私はこれでも異能生命体なの!だからアナタより歳上なのよ。そうだわ!アナタ名前は?」
「異能生命体!?は、初めて見た……あ、その俺の名前は桐崎Aだ。その、よろしく」
真逆の自分よ歳上の異能生命体と言う少女に驚きつつたどたどしく自己紹介をする。するとエリスはにっこーと無邪気な笑みを浮かべて訊いてくる。
「ね!貴方の異能はどんな力なの?とっても気になるわ!」
「……」
俺はそう訊かれて押し黙る。
……言って良いのだろうか?この二人に
俺の異能はあまりにも悪用しやすい。
もう一度二人の顔を見る。
俺を助けてくれた少し胡散臭い笑みを浮かべる森さん。
好奇心に目を輝かせたエリス。
俺は口を開いた。
「話しても良いが…俺の異能については他言無用にして欲しい。それを守れないなら俺は話さない」
「勿論だとも。約束しよう」
「えぇ!わかったわ!」
俺はその二人の言葉を信じて口を開こうとしたのだが、どうしても何処か信用出来ず言い出せない自分に嫌悪する。
……あぁ、糞…人を信じるってこんなにも難しいんだな…ほとんど人と関わらないからこんな複雑な思いはじめてだ…
そう思いながら俺はどうにか顔を上げてちゃんと森さんとエリスに向き合い口を開いて告げた。
「俺の異能はーー」
【桐崎君にとっての周りの印象】
乱歩:唯一異能で一度自分の事を忘れた筈なのに覚えてくれた人物。推理だけで自分との関係を割り出した乱歩の事は本当に凄いと尊敬している。
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那戯田沢 亜須@グラブル中毒者(プロフ) - 倉の中の石さん» ありがとうございます!思惑通りに暗い過去と思って頂けてついガッツポーズを仕掛けました(笑)続編頑張りますね!! (2019年7月8日 0時) (レス) id: 480a6a9b45 (このIDを非表示/違反報告)
倉の中の石 - すごく面白いです。こんなに自然な暗い過去は久しぶりに見ました。続編も頑張ってください。 (2019年7月7日 17時) (レス) id: 873805d7e2 (このIDを非表示/違反報告)
那戯田沢 亜須@グラブル中毒者(プロフ) - 鶴さん» 読んで頂きありがとうございます!更新頑張りますね!! (2019年7月7日 14時) (レス) id: 480a6a9b45 (このIDを非表示/違反報告)
鶴(プロフ) - 初めて見たんですが、とっても面白いです!更新頑張ってください!応援しています! (2019年7月7日 14時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
那戯田沢 亜須@スマホ使用不可で低浮上中(プロフ) - 夜美さん» ありがとうございます!まだ推敲中ですががんばりますね!! (2019年7月5日 20時) (レス) id: a29dbc7b52 (このIDを非表示/違反報告)
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