大嫌いだ ページ40
拠点に帰ると案の定羊の構成員達全員が集まって何かを話していた。
俺はそっと目を伏せて呟く。
「…やっぱり、か」
すると銀髪の少年。中也の次にリーダー格の白瀬が俺に気付き手を振ってくる。
「お前も無事だったんだなA！それと丁度良いところに帰ってきた！今、羊の今後について話してたんだ！早く来いよ！」
「……あぁ」
俺はそう返事をして皆の元に着く。
白瀬が気を取りなおして話始める。
「Aが帰ってきたし始めから話初めるぞ！俺達は中也に依存しすぎた。そのせいで気付け無かったんだ。何時かもし、彼奴が裏切ったらこの羊がどうなるかを……」
そして其処で一度区切り前を向いて演説する様に白瀬が声高々に言う。
「だから俺達は決めたんだよ！彼奴が裏切る前に殺そうって！そして信用出来るGSS(ゲルハルトセキュリティサービス)と手を組む事を！」
皆の顔を見渡して白瀬が聞く。
「誰か異論はあるか？」
そう聞かれて手を挙げる者は居ないだろう。
周りが納得してるから。
皆が思ってるかもしれないから。
そんな脅迫観念にも似た感情が心の中に有るから。
だが、俺からしたらどうでも良いことだった。
俺は立ち上がって吐き捨てる様に言う。
「そうか。お前等はあんなにも頼って置いて信じられなくなったら捨てるんだな……GSSと組む？馬鹿げているにも程がある。俺は、羊じゃない羊なんて真っ平ごめんだ」
「なっ？！お前裏切るのか？！」
そう弾劾するようにいう白瀬に苛立ち似た物を感じた。
「お前等は抜けるだけで裏切るって決めつけるんだな？……もういい。俺は此処を出ていく。それは変えるつもりは無い。じゃあな……ただ、この抗争で誰も死なせたくないと思うよ」
そう言って意図的に異能力を発動する。
きっとこれで羊の奴等は誰も死なない。
そう安堵しながら気を抜いたその時
パンっ！
「う、裏切る奴の言う事なんか信じられねぇ！」
乾いた音と共に右目が焼ける様に痛みそう少年の叫びにも似た声が響いた。
「〜〜〜〜〜〜〜！？！？」
声にならない叫びを上げながら思う。
こんなに痛いなら痛みなんて感じたくない。
その瞬間スッと痛みはなくなり自分でも理解した。
俺はもう普通の人間じゃないんだって。
「は、はは、ははは」
口から乾いた笑いが溢れる。
そして俺は歪んだ笑みを浮かべながら皆に言った。
「お前等なんて大嫌いだ」
そして振り返ることなく俺はその場を後にした。
【桐崎君にとっての周りの印象】
乱歩：唯一異能で一度自分の事を忘れた筈なのに覚えてくれた人物。推理だけで自分との関係を割り出した乱歩の事は本当に凄いと尊敬している。
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那戯田沢 亜須@グラブル中毒者(プロフ) - 倉の中の石さん» ありがとうございます！思惑通りに暗い過去と思って頂けてついガッツポーズを仕掛けました（笑）続編頑張りますね！！ (2019年7月8日 0時) (
レス) id: 480a6a9b45 (このIDを非表示/違反報告)
倉の中の石 - すごく面白いです。こんなに自然な暗い過去は久しぶりに見ました。続編も頑張ってください。 (2019年7月7日 17時) (レス) id: 873805d7e2 (このIDを非表示/違反報告)
那戯田沢 亜須@グラブル中毒者(プロフ) - 鶴さん» 読んで頂きありがとうございます！更新頑張りますね！！ (2019年7月7日 14時) (レス) id: 480a6a9b45 (このIDを非表示/違反報告)
鶴(プロフ) - 初めて見たんですが、とっても面白いです！更新頑張ってください！応援しています！ (2019年7月7日 14時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
那戯田沢 亜須@スマホ使用不可で低浮上中(プロフ) - 夜美さん» ありがとうございます！まだ推敲中ですががんばりますね！！ (2019年7月5日 20時) (レス) id: a29dbc7b52 (このIDを非表示/違反報告)
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