【文スト】幸福と不幸は紙一重

同い年の仲間が居るなら ページ34

祝！赤星！と言うわけで描いた桐崎くんイラストです！よろしければ見てくださいね！
http://img.u.nosv.org/item/5531/1558081024
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『羊の王』と呼ばれる少年は中原中也と言う名前だった。
彼を数日観察した所、仲間思いで少し素行の悪いが何処にでもいる優しい少年なのだと理解した。
……まぁ、俺は信用されてないからその仲間には入ってないんだけど。
別に気にしては居ない。
ただ少し同い年の仲間が居るならもっと楽しいのだろうかなんて少し憧れているだけだ。
そんな事を考えながら羊のアジトの隅で一人薬品で遊んでいると苦しそうな声がアジトに響いた。

「中也！やられた！報復してくれ！」

そう言って現れた少年は酷い怪我をしていて手当てをしないと駄目な状態だった。
俺は薬品をしまい少年に近付こうとした瞬間中也に止められる。

「手前、本当にあの怪我が治せんのか？」

「当たり前だ。と言うか手を離せ。早くしないと処置が面倒だ」

そう言って肩を掴んでいた中也の手を払い少年に肩をかしてベッドに持っていく。
ジロジロと見てくる視線に嫌気がさす。

「視線が邪魔だ。全員この場から離れるか仕切りを持ってきてくれ」

「そんな言い方無いだろ！俺たちは手前が何かしないか…」

そう抗議の声をあげようとする銀髪の少年を睨む。

「こいつを見殺しにしたくないならさっさとしろよ」

「……っ！わかった」

そう言って俺の威圧に臆した羊の構成員達が仕切りを持ってくる。
視線が無くなった事にそっと息を吐いた後鞄の中から適量の麻酔を取り出し眠らせてから銃によって撃ち抜かれた傷口を診る。

「ちっ……やっぱり銃弾が中途半端に止まってるか」

面倒臭いと呟いた後消毒したピンセットで銃弾を取りだし傷口をしっかりと消毒して縫合していく。

「森さんに銃弾の取り出し方教えてもらっといてよかった」

そう感謝しつつ血で汚れた手袋を捨てる。
そういやだいぶ顔色も悪いし輸血しといた方が良いかも知んないな…だけど羊の連中は全員血液型が分かんないし出来ないんだよな。

「とりあえず治療はしたし良いか」

そして仕切りから顔を出して心配そうにしていた羊の奴等に言う。

「とりあえず応急処置はしたから大丈夫だ。後は無理させなきゃ普通に回復する筈だ」

すると驚いた顔をしながら中也が言う。

「手前本当に医者だったんだな…胡散臭いから信用して無かった」

「確かに医師免許持ってないけど不本意だ」

俺が森さんに初めて会って言った様な言葉を言われて落ち込みつつ思う。
これで信用は得たし暫くは無事過ごせそうだと。

何で生きてんだよ→←異国人の様

【桐崎君にとっての周りの印象】

乱歩：唯一異能で一度自分の事を忘れた筈なのに覚えてくれた人物。推理だけで自分との関係を割り出した乱歩の事は本当に凄いと尊敬している。

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