【刀剣乱舞】その捌き、三名槍の彼の如く【蜻蛉切】 (ページ26)

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桜の花弁25枚ページ26

燭「はい、ここだね。彼はまだお休み中かな？」

貴「あ、少し待ってて下さい！....蜻蛉切？起きてますか？」

箱膳を持っている二人の前にするりと出ると、静かに部屋の戸を開けた。

(あ、寝てる....)

先ほどと同じように、整った顔をした蜻蛉切に少し戸惑いながらも、音を立てないように戸を閉めた。

貴「まだ起きていませんでした。お片付けは、私がしますので....！お二人共、ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。」

乱「いーのっ！それに、ちょっと仲良くなれたから、ボクは嬉しいな！」

燭「大丈夫！何かあったら、いつでも言ってね。今日は食事作り以外は何もないから！」

貴「ありがとうございます！では、また....。」

箱膳を二人分抱え、蜻蛉切の部屋に入った。

そして、箱膳を近くにある卓袱台の近くに置いた。

(改めて見ると、きっちりしてるな....)

内番服は綺麗に畳まれ、刀装は磨いて違い棚に置かれている。

本体は入り口から見て左側の壁に括られている。

いつ見ても、凛々しい刀身だ、とつくづく思う。

そして、部屋に風を入れようと、部屋の障子を開けると、一枚の紅葉が舞い込んできた。

そのまま紅葉はひらひらと部屋を舞い、卓袱台の下に落ちた。

私が紅葉を拾おうと身を屈めると、卓袱台の下に二枚の紙が置いてあった。

(何だろう。この字は蜻蛉切の字だよね....)

片方の紙を開くと、凛々しい字が紙一杯に並んでいるのが見える。

その題に目を向けると

貴「い、遺書！？！？」

蜻「どうした！？ああ、A。それは.....私の遺書か？はは、見付かってしまった。」

貴「え、ど、どういうことですか！？」

蜻「なに、大したことではない。ここの本丸の刀剣の中には、大切な人に向けて遺書を書くものは沢山いる。」

貴「びっくりしました....。それと、その傷は...？」

蜻「ああ、大丈夫だ。少しは動けるぞ。

それより、その遺書は、どこまで読んだのだ？」

貴「あ、これですか？まだ題しか....」

蜻「なら良かった。ああ、良い匂いがするな。もしかして、一人で朝餉を取りに行ったのか？」

貴「はい。行きは一人だったのですが、帰りは燭台切光忠さんと乱藤四郎さんに手伝って頂きました！」

蜻「他の刀剣と話せるようになったのか！？それは良かった...！！」

貴「私だって嬉しいです。さあ、『冷める前に』！」

紅葉が一層赤く見えた。