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一石三十鳥 ページ31

私に抵抗の意思がなくなったと分かればこの男は隙だらけになる。

頭悪すぎるでしょ。

警戒が薄まった此奴の頭めがけて下駄を投げつけた。



松田「おめっ、クソアマァ!」



その瞬間に全速力で走るけど…追いかけてきてる。



銀「おい大丈夫か?!」

「大丈夫じゃないかもしんない追いかけられてる」

銀「もうすぐで着く。あと少しだけ頑張ってくれ。」



逃げれば逃げる程、さっき送った現在地からどんどん離れていってしまう。

曲がり角を右左と適当に曲がるけど、今日の私はとことん神様から見離されているらしい。



「行き止まり…。」

松田「へへっ倍にして返してやるよ。」



気持ち悪いしたり顔でジリジリとこちらに詰め寄ってくる。

壁に背をつけてずるずると座り込んでしまう。



松田「付き合ってた頃は俺の言うことなんでも聞く良い女だったのによぉ。
しばらく見ねぇ間に随分反抗するようになったじゃねぇか。」

「あの時は…怖くて逆らえなかっただけ…
今は、自分の意思があるの。」

松田「じゃあ何回でも支配してやるよ。」



そう言って手を振りあげてくる。

本能的に頭を守り、縮こまる。

けれど、いくら待てど殴られる衝撃は来ない。



松田「ゔ、ぐぁ。」



その代わりに聞こえてきたのは松田の情けない声だった。

思わず顔を上げる。



「えっ?」

銀「遅くなっちまってすまねェ。」



そこには木刀を握り締めた銀さんが居た。



「銀さんんん…。」

銀「大丈夫か?怪我ねェか?何もされてねェか?怖くねェか?」



もう泣く一歩手前になってる私の元へ駆け寄り、しゃがみこんで目を合わせてくれる。

いつも通りの間延びした顔に、ふわんとして少し目にかかっている天パに安心して涙が出そうになる。



「大丈夫。怪我はしてない。でも嫌なことされた。
銀さんが居るから今はもう怖くない。」

銀「そうか。」



銀さんは涙目になる私に微笑みかけてくる。

にっこりと歯を出して笑う訳では無い、彼の優しい微笑み方が好きだ。



「来てくれてありがとう。」

銀「何言ってんだ。当たり前だろ。立てるか?」



彼は立ち上がりこちらを見下ろしている。

多分、私に手を差し伸べるのは助けにならないと思っているのだろう。

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氏兎(プロフ) - まゆゆんさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです(TT)頑張りますー!! (2022年9月24日 1時) (レス) id: 6006d7194f (このIDを非表示/違反報告)
氏兎(プロフ) - さちさん» コメントありがとうございます!!嬉しいです!!頑張ります(^-^) (2022年9月24日 1時) (レス) @page32 id: 6006d7194f (このIDを非表示/違反報告)
まゆゆん - このお話大好きです!!!!!!更新頑張ってください!応援しています🥰 (2022年9月20日 18時) (レス) @page31 id: accb57b751 (このIDを非表示/違反報告)
さち - 面白い!!更新頑張って下さいね!!!!!!! (2022年9月19日 20時) (レス) @page31 id: 0e3bc286c0 (このIDを非表示/違反報告)
氏兎(プロフ) - 夢子さん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けて嬉しいです!もっと楽しんで貰えるように更新頑張ります(^-^) (2022年9月10日 17時) (レス) id: 6006d7194f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:氏兎 | 作成日時:2022年7月25日 0時

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