氷の華に水をあげる ページ20
──嫌な予感は、大抵当たってしまう。
「──シャルイ」
「........分かってるよ。」
大切な主様が消えようとしている。
俺とシャルイは立ち上がった。
向かう先はAの隣。
宝物の耳飾りが揺れた。
.
「うああああああああーーーー！！！」
Aは叫びながら無造作に魔法を当ててゆく。
「A！！やめるんだ！！それ以上は体に負担が大きすぎる！！」
「A！！目ェ覚ませ！！」
「A先輩！！もうやめて！！」
寮長の声は何一つAに届かない。
Aはとめどなく攻撃を続けた。
雪が吹雪に変わり、積もり、氷柱が彼らに牙を向き、辺りがどんどん凍ってゆく。
もちろん、寒いので彼らの体力も奪ってゆく。
Aは止められないと、誰しもが思った。
「───A」
声が聞こえた途端、Aの動きが僅かに止まった。
「Aの動きが止まった！今だ！！」
寮長たちはそれを見落とさず、その隙にと攻撃をする。
「──A」
もうひとつの声。
それが聞こえ、寮長らの攻撃は全て弾かれた。
Aには何一つ当たらなかった。
雪を降らした曇天の隙間に、一筋の光が刺した。
「「A」」
もう一度、Aを呼ぶ声が響いた。
「──もう大丈夫だ。俺らがいる。」
「ごめんね、一人にしちゃって。」
そう言ったのは、Aの従者、ヘイルとシャルイだった。
「──。」
Aの瞳には虚が映されている。
彼らを見ていない。
「A。よく頑張ったな。」
「A。よく耐えたね。」
二人はAに言葉をかけた。
「──。」
何も移してないAの瞳が揺れる。
そして、もう一度。
「「A。」」
二人は名を呼んだ。
一筋だった光は増えて辺りを明るくした。
「──ヘイル........シャルイ.....」
Aがそう呟く。
「なんだ？」
「なぁに？」
二人は返事をした。
「う、うわぁぁぁっ！」
Aの瞳に涙が流れた。
ヘイルとシャルイはAを抱きしめた。
寮長たちはAが落ち着いたと安堵のため息をついた。
「ねぇ、ヘイル、シャルイ。私の事、すき？」
Aは二人にそう聞いた。
ヘイルとシャルイは微笑んだ。
「勿論だ。」
「当たり前でしょ？」
そう言った。
Aはその言葉を聞いて脱力したように笑った。
「ありがとう、二人共。私も大好き。」
Aは言葉を続けた。
「──あぁ、疲れちゃった。」
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∞輪廻∞(プロフ) - アイスさん» ネージュはフランス語で雪という意味があるので、そう命名しました！そういう質問待ってたありがとうありがとう！！ (2021年6月29日 16時) (
レス) id: a7a0dcccc8 (このIDを非表示/違反報告)
アイス - こんにちは。とても面白くてすぐに読み切ってしまいました。ところで、夢主ちゃんの名氏が「ネージュ」ですが、なにかネージュ君と関係があるのでしょうか？ (2021年6月28日 21時) (レス) id: 50003851a2 (このIDを非表示/違反報告)
∞輪廻∞(プロフ) - 夢色ふぅなさん» そういう反応を待ってたよぉぉ！！！()ありがとう！！無事完結出来て良かったです！ありがとうございました！ (2020年11月28日 22時) (レス) id: 5125d15ab3 (このIDを非表示/違反報告)
夢色ふぅな(プロフ) - 最後号泣しちゃいました…()とっても面白かったです…！！ (2020年11月28日 22時) (レス) id: 4a2b5a8613 (このIDを非表示/違反報告)
メロンパンの皮(プロフ) - 灰鴉さん» あっ..........しくった........教えてくれてありがとうございます！すみません直しておきます！指摘感謝です！ (2020年11月18日 21時) (レス) id: 5125d15ab3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：∞輪廻∞ | 作成日時：2020年10月24日 23時
