推しは守り助けるもの 漆【鬼滅の刃】

参佰弐の型 ページ2

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悲鳴嶼side






サラサラと、砂の様に消え去るA

嗚呼 人間というものは儚く美しい













己の無事より仲間の無事


己の寂しさより敵の寂しさ




これ程優しさで満ちた人間は存在するのかと思わせられる



Aが居なくては私は勿論、殆ど全員が死んだだろう




何よりお館様も生きていることが衝撃だった


時透が上弦の壱の元へ飛ばされた後、鴉が来た





＿＿＿




「オ館様ハ生キテイル！！！

Aノ呼吸、肆ノ型デオ館様ハ無事！！！！」




「肆の型…確か人外を出現させる術…


その人外が犠牲となったのか…」




「ソウダ！！オ館様以外モ無事！！！怪我人ハ居ナイ！！」




「なんという上上の事態…Aには感謝しなければ…」





＿＿＿＿





出会いはそうだ、早かった



8年前だ


胡蝶の姉妹を助ける任務だった



Aはあの時から凄まじかった



鬼狩りとしての才も、人間性としての才も


太刀使いを見た途端思った





嗚呼、こいつは本物だと。



本気で守りたい物がある者は覚悟の目をする




臙脂色をした瞳は奥が深く、且つ綺麗だ








A、聞こえるか、A



少しばかり歳上の私からの助言だ



優しさは確かに大切だ



だが今周りを見て欲しい



鬼殺隊が百世不磨なのもこれでお終い




鬼舞辻無惨は死んだ















だがどうだ？







喜ぶ者など一人も居らぬ。


これはA、お前の存在の方が大切だという事だ




皆、鬼舞辻無惨が死ぬよりも、お前に生きて欲しかったんだ








人間の計り知れぬ憎悪の想いは消えぬ




だがまた、計り知れぬ愛の想いも消えぬ







来世ではまた、皆で平和な世界を。




安らかに眠ってくれ、南無阿弥陀仏…

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