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38.私は戦う ページ41

そして、時は流れ、戦場へ皆と一緒に歩く。

たくさんの刀剣達が見送ってくれた。
いち兄や主なんて、涙目になって心配していた。


…隊長の清光が、敵を見つける。
それはいいけど、清光の表情が妙に青い。

清光は、ボソッと呟いた。


清光「何で、検非違使がここに…?!」

鶴丸「っおい、それは不味くないか?!」


検非違使…これも乱ちゃんが言っていた。

確か、その隊にいるめんばーの平均か、一番上の刀剣に合わせて出てくる敵。

どちらにせよ、これは不味い。

清光と鶴丸はカンスト済みだから良いが、私を含める短刀達はまだレベルは低い。

おまけに私は初出陣だ。


『……これは、覚悟するしかないかな。』

秋田「乱姉さん…」


主から貰った、お守りをぎゅっと握る。

一度折れても大丈夫だが…二度折れたら私は終わる。

私はそれでも良いが、皆が悲しむだろう。


『…清光。これが終わったら、すぐ帰ろう。』

清光「終わったら、って…まさか、戦う気?!」


そう驚いてる清光に、一体の検非違使が彼に向かって剣を振るう。

慣れているのか、敵に見向きもせず、攻撃を受け止める。大太刀なのに…

それでも、清光は驚いたまま、こう問う。


清光「馬鹿なの?!まさか、自ら折れに行く気?!駄目、せめて乱だけでも逃げるのに…」

『大丈夫だから。鶴丸さん、よく見ててね。』


集中して、と言う前に清光の台詞を被せる。

私は前に進み、敵のいる方向へ向かう。
途中、薬研の声が聞こえたが、鶴丸さんが止めてくれたのだろう。

全部で五体いる。清光と戦っている敵は、私に見向きもしない。

だが、他の敵にとって、レベル1の私は、折るのに最適で。

五体全員で、私に襲い掛かる。


薬研「乱─────!!」


今にも泣きそうな薬研の声が聞こえる。

さて…少しだけ、実験させてもらうよ。後ろ髪を肩にかけ、うなじを見せる。

全神経を首に集中させ、そして……


『全員、粉々になって、壊れちゃえ。』


醜い私の化身を、敵に振りかざした。


***

薬研side

検非違使が来た時は、絶望しかなかった。

怪しく光る奴らは、どう考えてもカンスト向けの敵で。

せめて乱だけでも、と思いながら、乱を探す。

乱は既に敵に向かって進んでいて、どう考えても危険だった。

急いで向かおうとしたが、何故か鶴丸の旦那に止められる。


薬研「乱─────!!」


実際、涙目になっていた。
もう駄目かと思った、その時。


『全員、粉々になって、壊れちゃえ。』

39.嫌われる?→←37.出陣について



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雪雫(プロフ) - 三日月の本霊がきていたから、薬研と新撰組も乱の中身が人間って知っているのでは?むしろ鶴丸の方こそ人間だと知らないのでは? (2019年12月27日 2時) (レス) id: 48f7317aae (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - ありがとうございます!更新がんばってください! (2018年9月29日 15時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 乱→145センチ 薬研→153センチ 寄って同じくらいではないです (2018年9月28日 21時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
イケ(プロフ) - 12で三日月出てる? (2018年9月23日 22時) (レス) id: 85ff92ecab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤林檎 | 作成日時:2018年9月11日 23時

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