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きみとの約束 ページ5
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「智洋の誕生日もうすぐやんな」
観覧車の中でAは言う。
「そやな、もうすぐ」
「じゃあ祝ってあげたるな！」
そう言ってガラス越しに映る遠くの山を眺めながら
「二人でキャンプでもする？……うそ」
って冗談交じりに言ってきたけど
僕は別に二人でもええかななんて思ってた。
「気持ちだけでも嬉しいで」
そう僕が返答する頃にはゴンドラは地面に引き寄せられて僕らは下車。
「ねぇ智洋、私の誕生日には薔薇の花束ちょーだい。真っ赤な薔薇のやつ」
「そんなんでええの？」
正直お花に興味が無い僕は花束なんてって考えで
それやったらほんまにキャンプに行く方がええんちゃうかって考えるほど。
「私の誕生日冬やん？やから真っ白な雪の世界で真っ赤な薔薇とか絶対ええやん」
「ふーん、分かった覚えとく」
「智洋だから頼むんだよ？分かってる？」
この時はこの言葉のほんとの意味なんか分からんかった。
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