第18話 ページ18
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いくつかの廊下の角を曲がり、とある部屋に通される。
物置で良いと伝えていたが、刀剣男士用の空いている部屋をあてがってくれたようだった。
「布団は押し入れの中。厠はあっちだから」
加州はそれだけを淡々と説明したあと、説明は以上と言わんばかりに踵を返して来た道を戻っていく。
Aはその背中を見送って完全に見えなくなってから、溜めていたものを押し出すように大きな息を吐いた。
「死ぬかと思った……」
「お疲れ様でした」
玄関の間からこの部屋まではそこまで遠くなかったのだが、Aが何より堪えたのは、ありとあらゆるところから感じる突き刺すような視線だった。隠そうともしない殺気に、何度背筋を粟立たせたことか。これが実戦なら最低十回は死んでいただろう。
「俺、ここで生きていけるかな」
「大丈夫です。何かあれば転送装置で官邸まで帰還しましょう」
「何かあってからじゃ遅い気もするけどね」
乾いた笑みを浮かべる。もはや命が幾つあっても足りないような気がしてきた。
「さて、まずは部屋のチェックを行いましょう。その次に転送装置の修理に向かいます」
「わかった」
部屋のチェックは指南書にも書かれてあったことで、主に、誰かが隠れていないか、咄嗟に身を隠せる所はあるか、転送装置までの退路は確保できるかの、この三つを確認すること、さらにそれを毎日行うべしというものだ。
天井裏から畳の下まで確認し、部屋の構造、調度品や装飾の位置を頭に叩き込む。異変があった時にすぐに気付けなければ、本当に命はないだろう。
「部屋自体特に変わったところは無いけど、何かあった時に隠れられる場所は無さそうだな」
「では、転送装置を修理してから退路をいくつか確保しましょうか。まずは転送装置を見つけないといけませんね」
こんのすけの言葉に頷いて部屋を出た。来た道を戻る途中、Aはまたあの殺伐とした視線を浴びるのではないかと内心ヒヤヒヤしていたが、あれはどうやら偵察だったようで、現時点で見られていないということは、この御殿内を行き来する分には問題ないと判断されたようだった。
……半分脅して入ったようなものだから、警戒するのは当然か。
撲滅課というのは損な役回りだな、なんて思いながら二つ目の角を曲がったとき、視界に紺色の衣服が見え、そしてすぐにドンッと身体に衝撃が走った。
「おっと」
ぶつかったと自覚するのと、頭上から驚いたような声がかかるのはほぼ同時だった。
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ファイ(プロフ) - さく茶さん» さく茶さまー！何故か全て通知が入っていなくて気づくのが遅くなりすみません。読んでいただきありがとうございます…！覚えていてくださる方がいてとても嬉しいです。あんなシーンこんなシーンアップデートして頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします！ (7月22日 16時) (
レス) id: 277853dcfd (このIDを非表示/違反報告)
さく茶(プロフ) - この作品、ストーリーがあまりにも私の癖にぶっ刺さりすぎていて大好きだったのでまた読むことができてとても嬉しいです。お肉付けマシマシどんとこいですので、気長に待っております。応援してます！ (7月2日 19時) (レス) id: a42496714d (このIDを非表示/違反報告)
さく茶(プロフ) - 修正前に読ませていただいておりました。 たまたま新しい作品を漁っていたところ、こちらの強烈な序章を見てもしやと思ったのですが修正されていたとは…！ (7月2日 19時) (レス) @page10 id: a42496714d (このIDを非表示/違反報告)
汐羅(プロフ) - また待ってますね！1人で勝手にニヤニヤウフフしてます笑 (2018年8月27日 22時) (レス) id: caabfee640 (このIDを非表示/違反報告)
ファイ(プロフ) - 汐羅さん» 汐羅…？もしかしてフォロワーの汐羅さん！？3回以上も読み返してくれただなんてありがたやありがたや…(>人<)正直、もう誰も興味ないだろうなって思ってたからほんと嬉しいです！頑張ります！ (2017年12月5日 10時) (レス) id: 9102f485be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ファイ | 作成日時：2016年4月16日 19時
