第15話 ページ15
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「この本丸の審神者に会いに来たのですよ」
こんのすけの声にはっとし、慌ててAも横で頷く。
加州清光は「ふぅん」と顔を上げたあと、自然な流れで左手を腰に携えた刀に添えた。
「うちの主、今居ないんだよね」
こんのすけから聞いた通りの対応だった。しかも刀に手を添えたということは、これ以上深入りするなという意思表示だ。無意識なのかわざとなのかは分からないが、人間に対して最大限に警戒しているのは明確だった。
「では、いつ頃帰って来られますか？」
「さぁ？ よく留守にしてふらっと帰ってくるから俺たちも分からないんだよね。悪いけど日を改めてくれる？」
全く悪びれる様子なく加州が言い放った。
しかしそれに臆することなく、こんのすけはにっこりと笑って彼らを見上げた。
「それは困りましたね。我々もそう言われて帰るわけにはいかないんですよ」
ピクっと二人の身体が揺れた。刀に置かれた手に力が入っているのが素人目でもよく分かる。
内心ヒヤヒヤしながら、Aは表情が崩れないように二人を見つめ続けた。目を逸らしたり狼狽えたりしてちょっとでも弱気な姿を見せれば、すぐにでも切り込まれてしまいそうだ。
「……帰ってくるまでここで待つってこと？」
怪訝そうにする加州に、こんのすけはすかさず「ええ」と返事をした。
「なので、物置きでもいいので寝泊まり出来る部屋をひとつ貸していただけたらありがたいのですが。食事は自分たちで賄いますので」
「じゃあ今日は帰ってくれ。わざわざここで待たなくていいだろ。主が帰ってきたら連絡するように言うからよ」
苛立つように話に入ってきた和泉守に、今度はこんのすけが冷ややかな目を向ける番だった。
「寝泊まりされて、何か困ることでも？」
こんのすけがそう言うと、和泉守と加州は苦虫を噛み潰したような顔をした。そんなことはないと言えば、きっとこの狐は「なら問題ないですね」なんて言って本丸に足を踏み入れるだろう。
そうして彼らが互いに目配せした頃に「そうそう」とこんのすけは声を上げた。
「分かっているとは思いますが、不用意なことはしないほうがよろしいかと。我々は撲滅課ですから、命令に背けば否応無しに貴方々を刀解できる権利を与えられています。貴方々の判断によっては本丸にいる刀剣全員が刀解されますので、ご承知おきを」
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ファイ(プロフ) - さく茶さん» さく茶さまー！何故か全て通知が入っていなくて気づくのが遅くなりすみません。読んでいただきありがとうございます…！覚えていてくださる方がいてとても嬉しいです。あんなシーンこんなシーンアップデートして頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします！ (7月22日 16時) (
レス) id: 277853dcfd (このIDを非表示/違反報告)
さく茶(プロフ) - この作品、ストーリーがあまりにも私の癖にぶっ刺さりすぎていて大好きだったのでまた読むことができてとても嬉しいです。お肉付けマシマシどんとこいですので、気長に待っております。応援してます！ (7月2日 19時) (レス) id: a42496714d (このIDを非表示/違反報告)
さく茶(プロフ) - 修正前に読ませていただいておりました。 たまたま新しい作品を漁っていたところ、こちらの強烈な序章を見てもしやと思ったのですが修正されていたとは…！ (7月2日 19時) (レス) @page10 id: a42496714d (このIDを非表示/違反報告)
汐羅(プロフ) - また待ってますね！1人で勝手にニヤニヤウフフしてます笑 (2018年8月27日 22時) (レス) id: caabfee640 (このIDを非表示/違反報告)
ファイ(プロフ) - 汐羅さん» 汐羅…？もしかしてフォロワーの汐羅さん！？3回以上も読み返してくれただなんてありがたやありがたや…(>人<)正直、もう誰も興味ないだろうなって思ってたからほんと嬉しいです！頑張ります！ (2017年12月5日 10時) (レス) id: 9102f485be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ファイ | 作成日時：2016年4月16日 19時
