【銀魂】先天性ブラックシンドローム・続

優しいところ ページ25

ーーー愉快なBGMに合わせ、
サンタのコスプレをした男女がチラシを配る


街中はすっかりキリスト教一色である。







「・・・なあ、お前サンタさん信じてた？」

「ええもちろん。・・昔サンタを捕縛しようと
家中に罠を張り巡らせたことが懐かしいわ」

「何この子危ねーんだけど」






「銀時さんは信じてたの？」

「アホか。サンタなんか一歩間違えりゃ
ロリコンオヤジの不法侵入だぞ。
靴下吊るしとけって何だよ変態じゃねーか」

「思考がほとんど私と同じじゃない」







この人子供時代に何かあったのかしら、と
一人で考えを巡らせていれば

隣から大きなため息。








「ガキってのァお気楽だよな。
家で靴下飾って寝てりゃいいんだから」

「そろそろ侮辱やめないと聖夜の夜にサンタに
撲殺されそうね」







クリスマスだというのにこの人のテンションが
最底辺でサンタをオヤジ呼ばわりするのは、

これから金を使わねばならないからだ。




・・・つまり、この人は今日一日
お父さんのようなもの。






「ーーー驚いたわ。まさか貴方が神楽ちゃんに
クリスマスプレゼントを用意するなんて」






今日朝起きてすぐ、クリスマスのプレゼントの
買い物に付き合えと小声で頼まれてしまい。

驚きつつも
こうして一緒に街に繰り出したわけだ。







「・・・仕方ねーだろ。毎日毎日空眺めて
サンタさんって呟かれたら、」




ブツブツと小言を口ずさみながら
頭をかく銀時さんの頭の中では
家賃と食費の2単語が回っているのだろう。








「優しいとこあるじゃない」

「銀さんはいつだって優しいだろうが」
「前言撤回」






苦笑しつつ言い合いを続けていれば
派手にイルミネーションされたデパートが
みえてきた。

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