新鮮味と疼き ページ13
ー銀時サイドー
「・・妙さんにね、」
「ああ」
ため息混じりにポツリと話し始める
.
「・・・展開が遅いと舌打ちされたの」
「は?」
Aは顔を赤らめ、こちらから顔をそらす
何の展開が遅いのか、なんざ、聞くまでもなく
「ーーい、いや、こいういうのに早ェも遅ェも
ねーだろ。何言ってんだあのメスゴリラ」
「それは私も思ったの」
「メスゴリラって思ってたのか」
「そうじゃなくて」
遅いも早いもないって話、と
少し睨まれてしまう。
冗談だったのに。またリモコンが飛んできそう
だったために口をつぐんだ。
(ーーー・・よく考えりゃ、キスまでしか
してねェんだったか)
互いの気持ちを確かめ合って少し経つが
展開が遅いといえば遅いことになるのか。
「銀時さんがヘタレなせいだって言ってたわ」
「んだとコルァ!?」
誰がヘタレだ誰が。
悪いのは俺ではなく、俺たち二人の性格だ。
顔を合わせれば憎まれ口を叩き合う。
見栄っ張りで頑固者。
・・その中に雰囲気もクソもないわけで。
あの時のキスは偶然の成り行きであるし。
あれ以来、口付けてさえいないのだから
確かにお妙の言い分は間違ってはいない。
一旦ガシガシと頭をかいて、今一度
そいつの顔を覗き込む。
.
「ーーーで?お前はこっから先、・・・俺と
進みてーのか」
「ッ、何を言ってるの」
「大事なことだろうが」
逃げた顎を捕まえて。
体温の熱い体を引き寄せた。
「ーーーどうなんだよ」
正直最初は、俺的にはこんなくせの強い女
ごめんだと思っていた。
それが、いつの間に俺はこいつと
体を寄せ合う関係になったのだろうか。
Aの答えを待つ傍ら、そんなことを思う
.
(ーーー・・ま、成り行きを思い出そうとして
も無駄なだけか)
多分、"相手の好きなところをあげて"と
言われても、あげることはできない。
それはAもそうなんだろう
この関係はこれでいい気がする。
.
「ーーーー・・進むのが嫌ならば
お付き合いなんてしないわ。」
やっと、ぽつりと聞こえてきた言葉。
緊張しているように語尾を震わす口調は、
やはり、いつものそいつとは違う雰囲気を含み
新鮮味と、なんともいえねェ心の疼きを
俺に促した
156人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シュシュ(プロフ) - にゃんこさん» コメントありがとうございます!銀さんカッコ良くかけていれば幸いです!最後まで読んでくださりありがとうございました!次回作も頑張ります! (2016年1月4日 18時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - みーへるさん» コメントありがとうございます!最後まで読んでくださりありがとうございました!次回作も頑張ります! (2016年1月4日 18時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - ばななんさん» コメントありがとうございます!ギャップ書くの楽しかったです…!!今年もよろしくお願いいたします! (2016年1月4日 18時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ - 完結おめでとうございます!腹黒系夢主ちゃんがここまで銀さんとラブラブになるなんて…すごく面白かったです(*^▽^)/次回作もチェックさせてもらいます! (2016年1月4日 17時) (レス) id: 4e6217db41 (このIDを非表示/違反報告)
みーへる(プロフ) - すっごく面白かったです!強気な夢主ちゃんと万事屋メンバーの絡みが好きで毎日更新されるのが楽しみでした。次回作も楽しみに待ってます!! (2015年12月26日 23時) (レス) id: 2bfd9802d9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:シュシュ | 作者ホームページ:
作成日時:2015年12月18日 17時