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TH「俺はデートだと思ってたよ、さっきの」
「っ…」
TH「Aはどうなの？」
本当に、テヒョンアはいつも狡すぎる。
いつもは僕なのに、こう言う時だけ俺になって。
それに、デートだと思ってた、って…
「あ、私は、仕事仲間と楽しく食事に…」
TH「…Aにとって俺は仕事仲間？
それとも、拾ってくれた優しい人？ただの同居人？」
「っテヒョンア、」
TH「答えてよ」
テヒョンアの細い腕が、次は私の腰に巻き付く。
必然的にさっきよりも距離を縮められて、もう鼻と鼻が引っ付きそうな距離。
「ち、近いよ、っ」
TH「答えて」
「っ…」
ずっと、片想いだと思ってた。
叶わない恋だって思ってた。
それに、テヒョンアは芸能人で、私は一般人。
ぜったいに交わってはいけない立場のはずだから、ずっとこの気持ちは隠そうって、テヒョンアが恋をしたら、それを応援しようって決めたのに。
「っ私は…」
TH「うん、Aは？」
「……テヒョンアのこと、す…っ」
��テヒョンアのこと、好き��
そう言ったはずだったけど、それは、テヒョンアのそれによって止められる。
唇にふわりと温かい感触がして、瞬発的に目を瞑ってしまったせいで目の前は真っ暗になる。
TH『俺は、Aが好き』
「っ…日本語、」
TH『ひひ、調べた。Aが好き、大好き、愛してる』
満足そうに笑いながらそういうテヒョンア。
「な、っ愛してるなんてそんな簡単に言うものじゃ、」
TH「じゃあAは愛してないの？」
「…っ愛してるよ、」
TH「ちがーう、日本語で言って」
あの日、テヒョンアが私を見つけてくれた日。
不安でたまらない私に、見て見ぬ振りをして前を通り過ぎた大人だらけのこの国に、怯えていたあの瞬間に声をかけてくれたテヒョンア。
あの時テヒョンアが私をみつけてくれなかったら、きっと私はすぐに日本に帰って、継ぎたくもない両親の仕事を継いでいたと思う。
だから、死ぬまでそばにいて、感謝を伝え続けたいの。
『…愛してるよ』
TH『ひひ、おれも』
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作者名：ヒナ
| 作成日時：2021年9月3日 1時
