210時間目 ページ22
「アノニム…彼は本当に馬鹿だよね。あっさり捕まるなんて、何を考えてるのか」
体が一気に震え出す。何で、それを。
「君の事見ていたけど、暗いとか狭いとかに敏感になってるね。あの事件のトラウマかい？じゃあ…血を見るのも怖いのかな？」
『……え…』
血を見るのが…怖い…？
「君の目の前で沢山の人が殺されたんだ。しかもその中には君の知り合いもいる。トラウマにならない筈がないよね？でも…その様子じゃ違うのかな…？」
前、理事長の部屋の赤い血…あれを見た時どうだった？水や暗くて狭い所と同じくらい怖かった…？
「結局君は自分だけが可愛くて、守りたくて仕方ないんだ。他人の事…たとえ死んだってどうでも良い。トラウマがその証拠だ」
聞きたくないけど、手が拘束されているせいで耳を塞ぐことが出来ない。
「本当は自分が死ななくて良かったと思っているんだろう？」
やめてよ…。
私はどう足掻いても前を向く事は許されないの…？
「…他人の事をどうでもいいと思っている人が、今も親友の死で苦しむとは思えないけどね」
死神の顔は赤羽君の背中で見えなかった。
「水本さんの事も計算間違いなんじゃない？」
「そーだよ！」
「Aちゃんの事ほとんど知らない癖に！」
みんな…。
泣きそうな顔を見られないように下を向く。
「…まあこれから死ぬ子に何言っても無駄だね。さあ急ぐか、他にもどんな能力隠してるか分からない。来いイリーナ、今から操作室を占拠して水を流す」
死神はビッチ先生を連れて出ようとしたが、それを阻む手があった。烏間先生だ。
「……なんだいこの手は？日本政府は僕の暗殺を止めるのかい？」
死神は笑みを絶やさない。
「確かに多少手荒だが地球を救う最大の好機をみすみす見逃せと言うのかな？そもそも烏間先生、本当なら君も倒して人質に加える予定だった。君の腕ではこの僕は止められないよ」
どうしたって私達は死ぬしかないのか。大嫌いな水で死ぬのか。はたまた、首についた爆弾で死ぬのか。
あの事件の様に運良く助かるなんてある訳ない。ましてや相手は世界一の殺し屋。
神様が言ってるのかな。
私なんか生きる価値もない。最期まで苦しめと。
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uru(プロフ) - みなさん» ありがとうございます！！続き書くの頑張ります！！ (2020年5月13日 19時) (
レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - 続きが気になって気になってうずうずしてます、楽しみに待ってます！！ (2020年5月13日 18時) (レス) id: e3da0156bf (このIDを非表示/違反報告)
uru(プロフ) - 澪桜さん» ありがとうございます、凄く嬉しいです！！これからも更新頑張ります！ (2020年5月5日 21時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
澪桜 - 初コメ失礼します。この小説を見つけてから一気に読破しちゃいました笑笑すごく私好みの作品ですごく面白かったです！！これからも読ませていただきます！笑笑更新頑張ってください！応援してます！！ (2020年5月5日 20時) (レス) id: 5d0f326b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：憂流 | 作成日時：2020年5月4日 19時
