ピエローtwoー (ページ2)

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48時間目ページ2

渋々授業に参加はしたが、まだ悪寒は止まらなかった。にこにこと笑う鷹岡先生の顔は、貼り付けたもので嘘っぽい。

「よーし！みんな集まったな～。今日からはちょっと厳しくなると思うが、終わったらまた、美味いもん食わしてやるからな！」

何だそれは。私達の事を餌をやれば素直に従う家畜か何かと思っているのだろうか？

「さて、訓練内容の一新に伴って新たな時間割を組んだ」

鷹岡先生に配布された時間割を見て、クラスの皆が絶句する。平日の学習時間は3時間目まで。それ以降は夜の9時まで訓練で埋まっていた。

「この位は当然さ！理事長にも話して承諾してもらった。地球の危機ならしょうがない、と言ってたぜ。ここのカリキュラムについてこられれば、お前らの能力は飛躍的にあがる！では早速…」

「ちょっ…待ってくれよ、無理だぜこんなの！！勉強の時間これだけじゃ成績落ちるよ！遊ぶ時間もねーし！！できるわけねーよ、こんなの！！」

皆の気持ちを代弁するように、前原君が立ち上がって叫ぶ。それを見て近づいた鷹岡先生は、前原君の髪と背中を押さえ、容赦なく膝蹴りを入れた。見ていられなくて、目を逸らす。

「言ったろ？俺達は家族で、俺は父親だ。世の中に…父親の命令を聞かない家族がどこにいる？」

''家族''

''父親''

そう言えばなんでもしていいというのか。

「さぁ、まずはスクワット３００回だ。抜けたい奴は抜けても良いぞ。その時は俺の権限で新しい生徒を補充する。

俺が手塩にかけて育てた屈強な兵士は何人もいる。１人や２人入れ替わっても、あのタコは逃げ出すまい」

恐怖で縛りつければ何もできないことを、この人は知っている。やっぱり、赤羽君と一緒にサボれば良かった。

見たくない。

聞きたくない。

震える体を抱きしめ、ただ此処から逃げ出したい…そう思った。