No.40*龍神邪炎 ページ3
第三者視点
時を遡ること数分前
中原のことを聞いた太宰は、華恋と別れた後、早足で中原の元へ向かった
「あ?やっと来たか……………って、は?
なんで手前ェがいんだよクソ太宰」
中原は、太宰を見た瞬間に顔を歪め、キッと睨みつける
だが、太宰はそれに怯むことも、気にすることもせず、冷たい声色でこう問うた
「中也、なんで葵と一緒に居るの?」
「!」
その顔は、昔の【太宰治】そのもので、
ポートマフィア五大幹部の中原さえ、少し鳥肌が立った
彼は、華恋のことを誰よりも想っている
だが、それと同時に葵のことも心配に思っていた
彼女は、まるで昔の自分のようだったから_____
だからこそ、彼は心配だったのだ
だが、中原はその考えを察したのか、「安心しろ」と言い、太宰の後ろから走ってきた金髪の男___国木田独歩に葵を渡す
「おい、金髪」
「……………何だ」
国木田は、少し警戒しながら返事をしたが、其れを気にすることもなく、中原は、
「葵の精神状態が危ねェ。気をつけろ」
と、言って、さっさと行くようにあとを押し、太宰に向き合った
「………………」
「………………」
二人の間に、妙な沈黙が訪れる
だが、中原はその沈黙を破るかのように、爆弾発言を落とした
「武装探偵社社長、福沢諭吉に会わせろ」
「は、?」
彼も、急な発言に驚きを隠せていない
しかし、其所に最も驚きを与える人物が現れた
「やぁ、太宰くん」
______そう、森鷗外が現れたのである
「おやおや、これはまた……」
三人の間に緊張が走り、いつでも戦闘態勢に入りそうになる
だが、其の時、また一つ影が現れた
「其所で何をしている、太宰」
「!!社長」
「ほぅ……」
武装探偵社社長____福沢諭吉の登場に、太宰は驚き、森は意味深に笑みを浮かべ、中原はポーカーフェイスを保ちながらも福沢を見つめる
彼は、この場の空気を察したのか、騒ぎになる前にあの二人を社長室に招いた
_______そして、No.39へ戻るのである
44人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:龍神邪炎&チョコレート x他1人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2017年12月19日 14時