三社鼎立 5 ページ26
「監視映像、弐番と伍番が停止!」
「自動迎撃銃座を起動せよッ!!」
社長がそう指示を出したので、自動迎撃銃座の電源を入れる。途端に、中原中也に銃口が向けられ、射撃する―――はずだった。突然自動迎撃銃座は爆発したのだ。
「特使の摂待役がこんな木偶とは……泣かせる人手不足じゃねえか探偵社。生きている奴が出て来いよ」
「……社長」
「お前も私と同意見か」
中原中也が私たちに人を出してくるよう煽る。乱歩さんは眉間にシワを寄せると、社長を見た。社長は乱歩さんに頷くと、私と与謝野先生、賢治くんに中原中也を出迎えるように指示した。
「……無理はするな」
「大丈夫です。私たちは武装探偵社員ですから」
社長の優しい言葉が線路へ向かう私たちに投げ掛けられた。大丈夫、と私たちは口々にいうと中原中也と対面するべく、線路へと急いだ。
中原中也。この間太宰さんがべろんべろんに酔ってたときに教えてもらった(余計な情報が多かったが)。
「たった三人か。見縊られた話だぜ」
中原中也は線路内にいる私たちをみるなり、そう愚痴をこぼした。全く失礼な人だ。私は皮肉をこめて中原中也に言ってやった。
「こっちだって貴方たちのせいで忙しいんですけど」
「探偵社は事前予約制でねェ。対応が不満なら余所を中りな」
「マフィアが敵拠点で暴れるのに予約が要ると思うか?」
「はい!要らないと思います!」
元気よく賢治くんは腕をあげた。賢治くんがいるだけで、空気が軽くなるのを感じた。しかし、中原中也は全く相手にせず、話を進める。
「賢治の云う通りだよ。暴れたいなら好きにしな」
「だけど貴方は暴れに来たんじゃない。そうですよね?」
「ほう。何故そう思う?」
「ウチは探偵だよ、訪客の目的位一目で見抜けなくてどうするンだい」
与謝野先生がぽんぽんと私の頭を片手で撫でた。中原中也はそんな私たちを興味なさげに一瞥する。
「お宅の社長は?」
「そこだよ」
与謝野先生は中原中也の背後を指差すと、彼は懐から一枚の写真を出し、監視映像に映した。そこに何が写っているか、こちらからではわからない。
「うちの首領からお宅等に贈品だ。奴等を『餌』で釣った。現れる場所と時間も此処に書いてある。煮るなり焼くなりするのはアンタ等の自由だ」
ポートマフィアが探偵社に贈品?どう考えてもおかしい。それに組合が釣れるほどの餌とは何のことだろう。そう考えこむ私をよそに、与謝野先生は不適に笑う。
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塩わさび - ミヤさん» コメントありがとうございます!おもしろいといっていただけるなんて光栄です…!!!頑張って更新していきたいと思います……! (2018年4月18日 23時) (レス) id: e627b6cc05 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ - 続編おめでとうございます!人間創造、とっても面白いです!これからも頑張ってください。応援しています! (2018年4月17日 21時) (レス) id: ce29b99b88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:塩わさび | 作成日時:2018年4月16日 21時