私、また復活します。【歌い手】

出番 ページ7

Side:マツリ


ドラムスティックカウントに合わせて、息を吸う。



『メルト、溶けちゃいそうだよ』



精一杯の綺麗な声で歌う。

昔、アンチしてきた人達に向けて、私はこんなに成長したんだぞって。


初っ端からエンジンは全開。


自分の出来る限りの力を使って、歌いきる。



そのあと少女レイを歌って、最後は
最初で最後のオリジナル曲、

”花火とラムネ色”

出来る限りの笑顔で歌う。


ふと、客席を見ると、最前席の右の方に、見覚えのある顔。


私のライブにずっと来てくれていた子。


目が合って、私は笑顔を返す。



それにしても、すごい。

懐かしい気持ちと、嬉しい気持ち。


東京ドームに立てるなんて、あの時の私は想像もしていなかった。


多くの人が私の色を振ってくれている。

規模は違うけれど、昔のことを思い出してしまう。


ああ、マツリになれてよかった。

きっと、今が人生で1番楽しい時間だ。






___3曲、終わってしまった。

たった3曲だが、私にはとても長く、楽しい時間に思えた。


歌い終えて、客席側にお辞儀をして、退場する。




ステージ袖に戻ると、EveくんとSouくんがスタンバイしていた。


「最高でした、マツリさん！」

「もう、ハードルあげられちゃあ困りますよ、ふふ」


「ふふふ、頑張ったよ、ありがとうございます。EveくんSouくん、応援してます」


「了解致しました！」

「頑張ります！！」





ペンライトが水色と青色に変わっていく。


2人でアンドロメダアンドロメダを歌い始めて、

息ぴったりな2人に驚かされた。


Souくんの右に曲ガールは元気はつらつ、それでいて爽やかで。

Eveくんが歌ったアウトサイダーはどこかミステリアスな雰囲気を持って、かつ かっこよくて。



2人が退場したあとも、智くんや志麻くんが歌ったりして、

ついに最後の2曲。アンコール抜きで数えると、だけど。



まふさんの歌い出しに合わせて、私達も太陽系デスコを歌う。


思わず踊りたくなるような曲で、なんなら踊っているリスナーさんもいた。


同じリズムで揺れている
たくさんの色のペンライトがとっても綺麗だった。

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