牡丹が落ちる時【mfsk】

牡丹41 ページ41

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｢そ、それじゃ……さかただって試験受けさせればいいじゃないですか｣




どうしても自分の意見を曲げたくないのか、若様はそらるさんに意義を申し立てた


そらるさんは特になんのリアクションもせず返事もせず若様を無視して、1歩を踏み出す




それに慌てて若様がなんか言ってよ！と催促したが、それに対してそらるさんが返したのはゲームの途中。の一言だけだった





｢わ…まふまふ様、とりあえず部屋に戻りましょ｣



｢もうあの男嫌い。｣



｢そらるさんが冷たいのはいつもの事ですよ｣



｢知ってるし！｣





長い足でガンガン歩いてしまうので、私は後ろから小走りで追いかけた

若様の白い髪がふわふわと動き、綺麗に染められている袖はヒラヒラと後ろを着いていっていた




……白。






｢Aさん！｣





意識半場別のところへ持っていっていたところで後ろから名前を呼ばれて、足を止めて振り向く



小柄な男が1人



きっと伝令でも任されたのだろう





｢召喚状が出ています｣






頭を下げたまま渡されたのは真っ白な文(ふみ)


でも私は若様の直属の部下だ
私を好き勝手に動かせるのは若様だけ





───あぁ。






｢A。｣



｢はい、若様｣



｢何かあったら呼んで｣





若様の真剣な目
真紅な瞳が細められて、若様は自分自身の手を何故か見つめた




ワガママで横暴な若様だけど、でも力はあるし頭もいい

そしていつも私を助けてくれる





ほわっと心(ここ)が温かくなって、私はその思いを込めてはい。と返事をした





そして、改めて伝令役の方を向いて文受け取る




｢行ってきます。｣

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