牡丹が落ちる時【mfsk】

牡丹39 ページ39

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「若様」

そらるさんと別れて組織内を歩き回っていると以外と早く若様を見つけることができた。

よかった…怯えてる同僚や部下を辿ってきて…

「あぁ…Aか」

久しぶりに歩き回って疲れたのかそらるさんが見つからないことにイライラしているのか若様は眉の間を微かに曇らせていた。

「話は終わったの？」

袖を通している若様が私の前を歩きながら訪ねてくる。

「はい、今そらるさんがさかたを事務所まで送っています」

そう言うと若様ははぁ？と口をへの字にして振り返った。

「じゃぁ僕が組織内歩いてたのは時間の無駄じゃん!!」

いや…若様の前でも話が終わったら送るってそらるさん言ってましたよ…。

この人はほんとうに自分勝手だな…。

「ちっ、…それで？」

短く舌打ちした若様が私に問いかける。

「え？」

急な問いかけに間抜けな声が出てしまい少し顔が赤くなる。

「え？じゃないよ。さかたと何話したの」

上司に報告するのは当たり前でしょ。と真顔で返されあぁと納得する。

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