牡丹34 ページ34
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規律というのは大切だ。
世界はそれでまわっている。
日本も法律という名の規律で人間をしばらなくちゃ社会は正常には回らない
だからこの組織だって規律といものが事細かに決められているんだ
「なんで僕がそらるさんに怒られなきゃいけないんだ…」
少し後ろに立ってるAの腕を引っ張った
うわぁっという情けない声と、足に重りがかかる
「どうしたんですか……」
「ここに座って。そうじゃなきゃ、僕喋らない」
口をとがらせながら言うと、Aはしぶしぶ僕の右膝に座った
Aの綺麗で長い黒髪に指を通して、そのままクルクル自分の指に巻き付ける
「もうこの男と話す気なんか失せたよ…」
「でも、そらるさんがさっさと話して解放してやれって言ってましたよ」
Aがどうしようもない子を見る目で僕を見て、そのまま視線をずらしてさかたの方に目を向けた
僕も釣られるようにしてそちらを見ると、さかたはそらるさんに出してもらったお茶を飲みながらソファーでくつろいでいた
「なんだっけ?キミの親が殺されたんだっけ?僕たちに」
「それで間違いないで」
「それで?何がしたいわけ。
今その親の復讐の対象が目の前にいる訳だけど」
「お前じゃないだろ?親が殺された時は、オレが子供のときだし
パッと見、若様とやらは俺と同い年ぐらいだろ?
なら、首謀者じゃない」
自分を産んでくれた親に対してここまでの情を持てることに僕は感心する
産んでくれたことには感謝するし、教育を与えてくれたことにも礼を尽くす
でもそれは敬意であるけど尊敬の意はもってないし、正直自惚れでもなく僕は1人でここまで来たつもりだ
「あの…若様」
「──あぁ、めんどくさいっ!どーせあれでしょ、これ終わったあとにまたそらるさんに怒られるんだ
もういいよ。好きにして
首謀者でもなんでも探せばいいじゃんか
僕、そらるさんとこ行くから、あとはAがどうにかして!」
Aの背中を押し上げて、僕はそらるさんにごめんなさいと弁解をしに2人を残して部屋を出た
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鈴凛(プロフ) - さ凄く好きです!! なんなんですか、文才ありすぎでしょう。 更新頑張ってください! 楽しみに待っています! (2021年1月4日 0時) (レス) id: 7339462afc (このIDを非表示/違反報告)
もろこ - もう好きという感想しか出てこなくなってしまいました好きです............更新めちゃんこ楽しみに待ってます!!!!! (2021年1月2日 3時) (レス) id: 132f83efa1 (このIDを非表示/違反報告)
優鈴(プロフ) - パールさん» いえいえ、!間違いは誰にでもあるのでだいじょぶですよ〜!(о´∀`о) (2020年12月31日 1時) (レス) id: 947ace3b30 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - 優鈴さん» ありがとうございます(泣)。早急に直させていただきました! (2020年12月31日 1時) (レス) id: ced046ff92 (このIDを非表示/違反報告)
優鈴(プロフ) - 順番がぁ……!20、23、22になっちゃってますよ、! (2020年12月31日 1時) (レス) id: 947ace3b30 (このIDを非表示/違反報告)
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